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1 <百字紹介文> 市場至上主義(ネオリベラリズム)は悪夢のサイクルを生みだすとして強く批判。国家が市場を計画し全てを決めるのでも、市場が人間を支配するのでもない、第3の道を提唱。それは人間が市場を使いこなす道だと説く。 <詳しい紹介文> 内橋克人さんの本に、私はこれまでに数度大きな影響を受けてきた。 もしかしたら私の人生で、一番大きな影響を与えてきた作家かもしれない。 30年程前の大学生の頃、周囲がほとんど金融界へ進もうと就職活動に励む中、私がメーカーへ進もうと決めたのは『匠の時代』を読んだからであった。別に成績が悪かった訳ではない。日銀出身の先生の金融ゼミに属し、学内の成績もかなり上位にいたから都銀など金融界へ進もうと思えば進めたはずだ。が、内橋氏の『匠の時代』が人生の目標を大きく変えてくれた。 重電メーカーに就職し数年した頃、内橋氏の『原発への警鐘』を読んで、再度大きな衝撃を受けた。私がいた会社は発電設備が得意機種の1つだった(ただし原発は製作していない)。その本の影響で、社内で反原発やナチュラリズムを唱える異色な存在となった。 今回も2006年と少し古い本ではあるが、衝撃は強いものがあった。私は実のところ、小泉改革を高く評価していた。今でも評価すべき点は多々あると思っている。 TPPが議論され出した昨年辺りから、自国の種々の安全を維持するための規制が、危い状態になるのを憂え、既に考えが少し変わっていた。 そしてこの本を読んでさらに大きく意見を変えつつある。今は規制改革などもっと掘り下げて考え、以前の考えに頑固に固執せず、聞くべきところは聞いてもうそろそろ自分の考えを修正していくべきかなと思っている。 内橋さんはこの本の中で、フリードマンというユダヤ出身の一学者から、「国家からの自由」を求めた市場原理主義(根オリベラリズム)の思想が生まれ、最初は小さな声に過ぎなかったその思想が、アメリカ経済界を席捲するようになった経緯を前半で述べている。 私がゼミにいたのは、プラザ合意の前あたりの時期。ゼミでアメリカのインフレを抑える為の施策を、ケインジアン流でやるべきかマネタリスト流でやるべきか、激しい議論が戦わしていた事を覚えている。その後、プラザ合意で日本は急速な円高に見舞われた。 記憶では、日本でも当時既にマネタリストが相当影響力を及ぼしていた(私の恩師はケインジアンだった)。 私は両論のどちらの考えもあまり好きでなく、ゼミ以外では、我が道をゆくで、経済学史の本などをガイドに、ガルブレイス、J・Sミルの訳書や森嶋通夫、青島秀夫、安井琢磨などの考えに共鳴を覚え、独学していたのを覚えている。今思えばかなりその頃から内橋克人氏の思想に意外と近い考えだったかもしれない。 内橋さんは、市場原理主義(ネオリベラリズム)は、市場が人間を支配する思想へと変質し、実体経済を破綻させる「悪夢のサイクル」だとして批判。 アメリカでは1970年頃から「規制緩和による産業の自由化」「累進課税の廃止」「貿易の自由化」という変化がまず始る。そこから国民はルール変更に無自覚のままそれを受け入れ、市場原理主義社会に徐々に変化し、同様に、グローバリズムの掛け声のもと、他国もその波に飲み込まれていった経緯を説明。同時に中流階級の崩壊と格差の拡大なども説明する。 アメリカの学界をリードしはじめたフリードマンらが率いるシカゴ学派の教え子達はシカゴ・ボーイズと呼ばれた。ラテン・アメリカから留学していた教え子らが続々帰国。 母国でマネタリスト的施策を実施するが、一時は上手くいくかにみえたそれらも結局は失敗し、路線を変更せざるを得なかった話なども出てくる。 また日本などでも、アメリカの圧力を受けて規制緩和や内需のため外資を導入したりするが、それが悪魔のサイクルに巻き込まれる契機だったことなども説明する。 内橋さんは、この現状を鑑み、市場のありかたに関し 「国家でもない、市場でもない、第3の道がある。 国家が市場を計画し、すべてをきめるのではなく、市場が人間を支配するのでもない。第3の道。それは人間が市場をつかいこなす道です」と述べ、市場を調律する方向へ舵を切り直す事を主張する。 北欧諸国の事例、例えば利益率一辺倒の思想から離れた公共精神の強いノキアや、コンピューターのOSを公共財と考え、オープンソースのOS(LINAX)を開発したリーナス・ト―バスなどの成功例を説明しながら、人間が市場を使いこなす道の在り方もあることを提示し、日本もこれらを参考に第3の道の可能性を進むことを進言している。 市場というものは否定すべきものではないが、野放しにしてよいものでもなく、市民社会的制御のもとに、市場メカニズムを置くべき。 市場至上主義ではなく、ITマネーと一緒になって人間を振り回す市場ではなく、市民社会制御の下にメカニズムというものを置き、その市場のメカニズムを人々の幸福を増していく方向に利用していく。 内橋さんは、そうなってはじめて、あらゆる市場メカニズムが生きてくる。神のごとく完璧な市場が市民社会を支配するという考えとは全く逆だと述べる。 自分に反省を促し、深く考えさせられる本でした。 お薦めの一冊です。 ![]() ![]() ![]() ![]() ▲
by une_genzaburo
| 2011-12-12 10:31
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