by une_genzaburo
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ダーウィンの進化論は、それまでキリスト教が唱えていた7日間で世界を創ったという教え反するもので、当初は激しい抵抗を受けた。しかしその論争にも最終的に勝ち、ダーウィン進化論は大きなパラダイムシフトをもたらした。 メンデルの遺伝の法則が社会に認められると、一時メンデル学派との対立も見られたが、間もなくメンデルの法則に淘汰や適応の考えを採りいれて、それらを統計的に論じた総合説が出てきて、ネオダーウィニズムがまた生物学界のパラダイムとなって20世紀まで続いた。 20世紀半ば、遺伝子の正体であるDNAの構造が解明され、その後、続々とゲノム解読がされるようになると、新たな進化仮説を生む中心は、化石や生物の分類学、生態学、解剖学から、ゲノム解読などの分子生物学的手法になってきた。 ライナス・ポーリングが考案した分子時計がそのいい例だろう。ポーリングの時代はまだDNAの解明はされていなかったが、彼らは、アミノ酸の配列の突然変異が常に一定頻度で発生すると仮定すると、生物の分子構造の違いとその変化量から、進化の系譜がつくれるのではないかと考え、その手法を用いて、生物の進化に分析応用した。 進化論も、ダーウィンの進化論が登場してから150年経過して、ダーウィンの進化論と大きく異なる説も色々登場してくる。日本などでも「棲み分け理論」を唱えた今西錦司氏がダーウィンの進化論に大々的に反論、また分子生物学の手法を採りいれた木村資生氏は「分子進化の中立説」を唱えたりした(木村資生著『生物進化を考える』)。 ゲノム解読による進化の系譜も、分子時計だけでなく、トランスポゾン(動く遺伝子)なども利用。それらが種の分類で異なる進化の道筋を示すなどまだ研究は発展途上だが、間違いなく、ゲノム解読は次代の進化論の中心であることには変わりは無い。 この本は、ゲノム解読によって進化論はどう変わったのか、進化論の今を分かりやすく紹介したものだ。 もう一度、この本の内容を今度は目次の章順に従って紹介する。 第1章「進化論のパラダイムシフト」では、進化論の世界に起きつつあるゲノム解読による新たな動向を、幾つかの成果をあげながら説明する。 第2章「遺伝子で探る進化のメカニズム」では、進化論の最新の成果など紹介。私は中でも、性格遺伝子ともいえるような遺伝子があり、それが日本人の慎ましい性格やアメリカ人の強いフロンティアスピリットをを生み出している一要因だという話が特に興味深かった。 第3章「ダーウィン進化論の道のり」では、ダーウィンの進化論が登場し、パラダイムとなるまでの歴史が出てくる。アダムとイブの旧約聖書の話から始まり、分類学の祖リンネ、ラマルクの「獲得形質の遺伝」「用不用説」、ワイスマンの獲得形質の遺伝説への反証、キュヴィエの「激変説」、ダーウィンの進化論、メンデルの法則、フィッシャーの自然選択の統計学的分析などが非常に分かり易い文章で説かれる。 第4章では「さまざまな進化論」では、今西錦司氏の「棲み分け理論」、木村資生氏の「分子進化の中立説」、ミトコンドリアから着想された細胞内共生説、エルドリッジとグールドの断続平衡説などが紹介される。 第5章は「進化論の5つの論点」 5つの論点とは、 1 生物は進化に対して受動的か能動的か 2 進化は競争の結果か協調の賜物か 3 進化は偶発的な出来事か必然的な出来事か 4 進化は連続的な出来事か不連続な出来事か 5 進化の主体は固体か、種か、遺伝子か これら5つの論点はダーウィンの進化論が出てきてから何度も論争されてきたが、いまだに決着していない。ダーウィン進化論における変化が、小さな変異が積み重なった結果だという、ちょっと疑問を呈するような考えも、否定まで至っていない。そういう状況を述べながらも、最近、抗生剤などの薬剤に対する多耐性菌の研究から、多剤耐性が突然変異ではなく、薬剤耐性をもったプラスミドなどをやり取りすることによって種を超えて(例えば赤痢菌から大腸菌へ水平移動)、持ち込まれることなども紹介する。 第6章「遺伝子が進化の主役か」では、遺伝子の解明が進むにつれて、進化における遺伝子の主体性が関心を集めていることを述べ、ハミルトンの「血縁選択説」、ドーキンスの「利己的遺伝子」の考えなどが紹介されている。 最後の第7章では、この本の著者らがウイルス進化説を提案、その内容を説明している。 彼らのウイルス進化説の3本柱は、1本目はウイルスによる固体から固体への水平移動が起きること、二本目はウイルスによる遺伝子の水平移動は種の壁を越えて起きるということ、そして三本目はウイルスは遺伝子を運ぶオルガネラ(器官)だということ。つまり著者らは、ウイルスこそが、生物が進化するのに必要な水平移動を行う道具、進化のためのオルガネラであり、ウイルスこそ生物が進化という機能に対応する形態だというのだ。 非常に興味深い説だ。私は支持したい。 「進化論の今」を知りたい人には、お薦めの一冊です。 ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2009-03-21 21:43
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