平静の心―オスラー博士講演集
オスラー / / 医学書院
ISBN : 426013552X
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<今回の独習記録>
『新訂 平静の心-オスラー博士講演集』(日野原重明&仁木久恵訳・医学書院)
平成20年7月8日~17日
5、科学のパン種
6、教えること考えること-医学校の機能
7、看護婦と患者
8、二十五年後に
9、本と人
10、病院は大学である
の6つの講演を読む
今回読んだこの6つの講演録は頁にすると125ページ余りだ。講演の記録で口語のはずだが、じっくりと考えないとなかなか意味が読み取り難い文章である。ページ数としては大したことはないのだが、少し梃子摺ってしまった。
この度は間に3日間ほどの東京出張も挟み少し余裕もなかったどうも進捗が捗らないが、ここで一旦図書館に返却して、続きは後日再借しようと考えている。
実は、今日は本を紹介している余裕もあまりない。日野原さんの要約文を借用し少し端折って紹介する。
「科学のパン種」では、医学における基礎的および科学的訓練は医師の生涯教育の中で「パン種」として働くことを説く。また科学的思考の重要性と共に人の心を知ることが医師として大切なことを説き、科学と医術を見につけると同時にキリスト教的愛の感化が教育の中に必要なことを強調。
「教えることと考えること」では、自分がジョンズ・ホプキンス大学医学部創設で尽力した時の経験をもとに、母校のマギル大学の生徒に大学として大切な「教えることと考えること」を説く。
「看護婦と患者」。彼は、ジョンズ・ホプキンス大学で看護婦の教育にも当たった。その際当時の看護婦のあり方を極めて厳しく批判した。看護婦を愛し、医師以上に患者のケアの中心を務めるのは看護婦であると考えていた彼らしい講演といわれている。看護業務の特殊性というものをよく識別し、特に看護婦が行うケアは極めて高いものであることを強調している。
「二十五年後に」は母校マギル大学の講師に任命されてから25年後に、母校での講演を依頼され講演したもの。効果的な教育方法の刷新、教育理念、望ましい医師像、教師であり学徒であるための生き方について具体的に語っている。
「本と人」はボストン医学図書館の落成式の時の講演。
「病院は大学である」は、病院を主体とする医学生の臨床教育の紹介。オスラーは、医学部3,4年次の臨床教育を行動ではなく、病院の外来やベッドサイドで行うよう改め、学生を病棟のクラークとして、医師の助手的役割を果たさせ、学生を看護婦や病院のインターンやレジデント(実習医)と共に、病院機能の滑車の1つとして働かせることにより、臨床医学を学習させた。
現代の臨床医療の基礎をオスラー博士が確立したと言って過言ではない。
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