by une_genzaburo
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私の脳科学講義 (岩波新書)
利根川 進 / / 岩波書店 ISBN : 4004307554 スコア選択: ※※※※ ここ数年、理化学関係の部門の日本のノーベル賞受賞者の本を努めて読んでいる。そしてまだ一冊も読んでいないのは利根川さんだけとなっていた。彼の本だけはなかなか見つからなかった。ネット販売で購入するのも1つの手だが、私は実のところそういう本の買い方はしない。先日、やっと図書館で見つけたので借りてきてやっと読むことができた。 利根川氏は、数万の遺伝子しか持たない人間が100億種類以上の抗体を生み出す免疫のメカニズムを解明したことに対してノーベル生理学医学賞を受賞した訳ですが、もともとは医療・生理学は専門ではなかったそうです。 京大で理学部化学科に入学したが、化学の興味が薄れ、そろそろ卒業研究に取り組まねばならぬ頃、分子生物学の面白さを先輩から教えられ、その面白さに魅せられ、その関連の勉強を始めます。その頃の日本には分子生物学の専門家はおらず、まして指導してくれるような教授も大学にいなかった。利根川氏は、担当教授に自分が勉強している内容を説明することで、卒業を許してもらい、卒業後は大学院に進む。しかししばらくしてそこの教授にアメリカに留学を薦められ、アメリカへ渡る。 最初カリフォルニア州立大学サンディエゴ校に進み博士号(phD)をとった後、ソーク研究所に入りそこでノーベル賞受賞者でもあるダルベット博士のもとで2年ほど研究。ビザ期限がせまりアメリカを去らねばならなくなった頃、ダルベット教授がスイスのバーゼル免疫学研究所へ行くことを強く薦め、スイスへ渡る。 その頃抗体の多様性はGODミステリー(GODとはGeneration of Diversity(多様性)の略)、つまり「神の多様性」と呼ばれており、その仕組みは誰も解明できていなかった。利根川さんは分子生物学の手法という今まで誰もやらなかった手法で解明し、後のノーベル賞受賞の対象となる業績をこの時にあげます。 スイスで一応の成果を挙げた利根川氏は、アメリカに戻り、今度は心機一転、マサチューセッツ工科大学(MIT)で脳科学を研究をはじめ、現在もそこで脳科学に取り組んでいるようである。この本では、ノーベル賞関係のの話より、脳科学の話の方が断然多い。ノーベル賞は利根川氏にすれば一通過点に過ぎないのかもしれない。 おこがましい話だが、私の興味の遍歴とちょっと似ていると感じた。私自身も高校の受験勉強の頃、尊敬していた化学担当の浜田教頭先生という方から、(私は大して成績良くなかったのに)「君は化学者に向いている」と言われ、化学を目指した事がある。大学は経済の方に進みそちらに進むことは無かったが、科学に対する興味はずっと消えなかった。かなり以前から分子生物学に興味があり、あれこれと読んでいる。最近では免疫学にも(自分の健康問題などもあり)興味が出てきたし、またこの本でも登場する脳科学にも惹かれている。クリック(DNAの解明で有名)氏の脳科学の本、野村進氏や立花隆氏などの脳関係の本、NHKから出版されている脳の本など色々読んでいる。 といっても私の場合、利根川氏と違い、今さら研究者になるなどまあ無理な話ではあるが。 利根川氏はMITへ移ってからも、優れた業績をあげている。確か今年のノーベル生理学医学賞は特定の遺伝子の機能を失わせたノックアウトマウスを研究していた3人の学者に与えられたものだ。この3人の受賞者が作り出したノックアウトマウスは、発生初期の受精卵に外来の遺伝子を導入し、細胞分裂・成長によって、全ての細胞内にその遺伝子を組み込んだバイオジェニック生物と呼ばれる型のマウス検体だった。 これは第一世代のノックアウトマウスであり、利根川氏らはそれに対して、遺伝子が特定の空間・時間で機能しない第2世代のノックアウトマウスを作り出した。時間というのはその機能の欠損の症状が現れるのが、ある程度成長してからという意味である。利根川氏らは記憶のメカニズムの重要な役割を果たしていると考えられている海馬の中のCA1野とCA3野のNMDA受容体の遺伝子をノックアウトしたマウスをそれぞれ作り研究した。 結果を簡単に述べると、まず最初に手がけたCA1野をノックアウトマウスの研究では、長期記憶の増強に見事に欠陥があることが判明、後に行ったCA3野のノックアウトマウスでは、空間記憶には支障はないが、記憶を想起する機能に問題がある事が判明した。 私も最近、度忘れが激しいし、本など読んでも内容をすぐ忘れてしまうが、それには記憶を連想から呼び起こすパターンコンプリーションというものが重要な役割しているようだ。記憶するという機能は年を経てもほとんど減退しないが、この想起という機能は、記憶関係では老化により比較的かなり減退してしまうらしい。 CA3野のノックアウトマウスの話に戻る。CA3野のNMDAの遺伝子機能を阻害されたマウスは一応は学習し記憶するが、周辺景色をがらっと変えると、ある事柄の学習を周辺の景色との連想で記憶していたのが、それで連想想起することが出来なくなる訳である。 逆に言うと、うまく記憶するには色々な物事と関連させて覚えるのがいいらしい。この想起の機能が老化により減退していく訳だが、連想もさせないで記憶しようとするとなおさらできないようである。 この本では、あの「ベルサイユのばら」で有名な劇画家池田理代子さんや、他の方との対談などもありかなり面白くおります。また読んでいてちょっと分り難く思う専門用語も、後ろの人名・用語解説を見ると説明されていたりして、そんなに難しい本ではないと思います。私自身は十分理解できたと思ってます。 現代科学の動向、特に最近注目を集める脳科学の最先端を紹介し、さらになぜ利根川氏がこれだけ成功できるのか、目的・戦術・技術が見事に組み合わさった研究手法をも紹介しています。 科学に興味ある人に、強く薦めたい一冊です。 ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2007-11-26 10:20
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