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狂牛病(BSE)・正しい知識
山内 一也 / / 河出書房新社 ISBN : 4309251536 スコア選択: ※※※※ 山内一也氏のBSEに関する本だ。山内一也氏の本は昨年11月にも、『エマージングウイルスの世紀』をここで採り上げている。2冊目だ。 私は感染症に興味が非常にあるので、昨年から実は山内氏の『人獣共通感染症(Zoonoshis)連続講座』の頁((社)予防衛生協会のHP)に何度も訪問している。 この本は、2001年日本に初めてBSE(牛海綿状脳症状)の牛が見つかって、大騒ぎになっていた頃出版された本である。当時正確な情報を流すべきマスコミでさえ、出鱈目な情報を流したりしていたので、専門家の立場から正しい知識を伝えるために急遽書かれたようだ。 早速紹介していきたい。 狂牛病という名は、誤解を招く言葉なので現在では専門家の間ではまったく用いられず、BSE(牛海綿状脳症)というのが公式の名称である。この本のタイトルで併記されているのは、一般の人々の間では「狂牛病」の方が知られているということで、注目を集め易くするために併記した訳である。 先ほど「狂牛病」の名が誤解を招き易いといいましたが、そもそも狂牛病というのは牛が狂っているのではなく、中枢神経が侵されて四肢を正常に保てないような症状を示す牛があり(一部にはBSEに罹病しても外見上全く症状を呈さない牛もいる)、狂犬病などの連想などもあってこういう名が当初付けられたようです。 BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)の原因は異常プリオン蛋白というものと考えられています。感染症ではありますが細菌やウイルスではないようです。プリオン蛋白というのは、勿論蛋白(タンパク)質の一種で、動物の中に存在します。正常なものは病気を引き起こしませんが、それの異常型のものが正常型のプリオン蛋白と接すると、異常プリオン蛋白が鋳型のようになって、どんどん正常型のプリオン蛋白を異常プリオン蛋白に変えて、病気を進行させるといいます。 この異常プリオンは、ウイルスなどと違い100度位の高温では殆ど破壊できず、800度以上位でないと破壊できない、非常に厄介な蛋白質です。 この異常プリオンに侵された脳は、スポンジ状態にることからBSE(英語では脳がスポンジ状になる牛の神経疾患の意味)と名付けられた訳です。 異常プリオンが原因でなる病気は、牛のBSEだけでなく、羊や山羊のスクレイピー、人間ではCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)、クールー病などもそうだということです。皆海綿状脳症を呈するようです。牛のBSEはスクレーピーが伝染したからだとも、逆に牛のBSEからスクレイピーに伝染したのだとも言われており、どちらにしてもどちらかの病気が種を超えて伝染したようです。 伝染といいましたが、この病気は普通には経口感染しかなく、つまり同じ種、例えば(BSEの)牛と牛の間でも接触感染はまず殆どないのです。ただ食べ物として口から入る場合(経口感染)などがあります。多くの場合は牛の飼料として牛骨粉が混ぜられたのがその原因となっています。BSEが世間を賑わす前まで、牛は普通解体し肉を削ぎとった後、残った骨とかについた大量のくず肉を集めて、脂肪と油かすに分け、脂肪はワックスや薬品に、油かすは乾燥させて粉末にし、肉骨粉にしていました。肉骨粉といいますが、実は骨は入っておらず、これが濃厚な動物性蛋白源であり、家畜の飼料と混ぜられて出されていた訳です。 BSEがこれだけ世界を騒がせたのは、このBSEが経口感染によってヒトにCJD(クロイツフェルトヤコブ病)を起こさせたからです。従来のCJDは孤発型、遺伝型はヒトに固有なプリオン病でしたが、変異型CJDとか新型CJDと呼ばれるCJDは、牛の何らかの部位が食料として体の中に入ったり、もしくは脳膜代替品とか薬に使われるエキスの材料として人体に入るとかして、感染したようです。またCJDに罹った人の中には、腎臓移植などで既にCJDに感染した人の臓器を移植することによっても感染しています。 BSEの牛で異常プリオンが多いのは、特定危険部位や危険部位と呼ばれると部位(例えば特に異常プリオンが多く発見される特定定危険部位は、脳、脊髄、眼、回腸遠位部と呼ばれる部位)で、特定危険部位及び危険部位の部分を除けば、肉の部分は食べても殆ど伝染することはないようです。また異常プリオンが体内へ入ってから実際働き出すのは3年以上後から(潜伏期間は約5年ほどと考えられている)、3年未満の牛ならBSEに感染していても、ほとんど影響が出ることはないようです。 BSEに感染しているかどうかの生体検査は難しく(中には感染していても全く症状をみせないものもいる)、現在は死んでから生化学検査や病理学検査などを行い検査する方法です。現在BSEに罹った牛や、そのほかプリオン病に罹った動物、人を治す薬は開発できていません。防止による水際作戦しかないようです。生体検査方法及び治療薬の早期の開発が望まれます(ただしこの本が書かれたのは2001年だから、もしかしたらその後、少し状況が変わったかもしれない。私は素人なので知らない)。 BSEが発生した英国やヨーロッパでは、近年では6ヶ月齢以上とか12ヶ月齢以上の牛に関しては特定危険部位を排除して処理して市場へ、30ヶ月齢以上の牛は屠畜場検査でBSEに罹っているかどうか調べ、罹っていなければ特定危険部位を排除して市場へ出すという処置をしているようです。それに対して日本は、全ての年齢の牛の特定危険部位を排除、また全ての年齢の牛の屠畜場検査及びプリオン検査をするという世界でも厳しいものだそうです。 しかし行政的に担当する部門が、厚生労働省と農林水産省に縦割りに分かれているし、その上今一番問題が多い、農林水産省と厚生労働省である。法だけ厳しくして運用面でなあなあのやり方をして、ポーズだけは厳しくやっています、などという風にならないでほしいと思うが、信用できない2省だけに心配だ。 ところで、私はこの記事で伝染、伝染という言葉を何度も使っているが、この異常プリオンが原因となる病気(プリオン病)は、専門家の間では普通、伝達性海綿状脳症という言葉と同意語のように用いられる。「伝染性」ではなく「伝達性」なのである。何故かというと、接触感染や空気感染などによる感染はなく、「実験的に伝達することができる病気」だからです。経口感染でも普通は同じ種か近似種が普通で、牛からヒトへの感染は牛-牛と比べるとごくわずかだといいます。それも肉などの部位からは少なくBSEが感染し易いソーセージに用いられる腸の部分とか内臓などが混じった場合が食用感染の場合です。多くは場合は、牛製品の医療品や薬剤が人体の内部に入って、変異種CJDへとなっり、臓器移植などによってCJDになったもののようです。 現在医療品に使われる牛の部位は、食肉以上に厳重な管理の元に置かれているから、ほとんど問題はないそうです。(本当かな?) 先にプリオン病の1つとしてあげたクールー病はパプア・ニューギニアの食人肉の風習のあったクールー族でみられた病気なのですが、著者の山内氏は、BSEなども強制的共食い状態からこの病気が発生した可能性があることなどを考慮し、「近代畜産の効率の考えから生まれたリサイクルや、近代医学を背景としたいわば擬似的な人間のリサイクルとは、本質的に同じ問題を孕んでいると警告しています。 BSEについて大体のことは書いたつもりですが、今振り返るとまだまだ色々な注意点もあったような気もします。私は何分素人です。誤解による要約や、言葉足らずによる不正確な記述の部分も多々あったかと思います。この程度でBSEについて解ったと思わないでほしいと思います。疾病などに関するこういう情報というものは、できるだけ正しい知識を求めることが必要だと思います。 BSEが初上陸した2001年はかなり騒ぎになりましたが、今はかなり沈静化しているような気がします。かといって今後また流行しないとは限りません。その時パニックにならぬよう、冷静な今じっくりと勉強するというのは賢いやり方ではないでしょうか。 とにかくBSEを勉強するには、お薦めの1冊です。 (この記事は、七尾市立田鶴浜図書館から借りてきた本をもとに書いています) ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2007-10-24 10:17
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