今回も陰陽師関係の小説である。といっても、平安の世ではなく、江戸時代の陰陽師。主人公は、安倍晴明を家祖とする陰陽頭・土御門泰栄の京都触頭の一人・笠松平九郎。12人いる譜代の触頭の一人であった。
土御門家の家祖安倍晴明が、12の式神を自在に操ったのが起源といわれ、そのためその譜代の触頭はその式神の子孫といわれた。そして彼らは同家直属の監察役であった。寛政3年(1791)、同家が幕府から全国の陰陽師支配を法令で許されて以来、彼らは陰陽師として生業を立てる易者、人相見、占い師、宗教色をもつ芸能者などを、統括した。
つまりこの小説は、江戸幕府によって治安維持の一役も買っていた陰陽師の監察役として、京周辺でおきる事件に立ち向かうという風に展開する小説である。
このシリーズも、勿論既刊は全て読んでいるし、同シリーズ本のここでの紹介も、おそらくこれが初めてではないと思う。よって主人公の紹介は、この程度にしておく。
今回収録の話は、「夜の釜」、「嫗(おうな)の人形(ひとがた)」、「異本の骸(むくろ)」、「師走念仏」、「逆髪(さかがみ)」、「朱蛇地獄変」の6話である。
人間も悪に染まるとここまでもおぞましきものになるかと思うような「異本の骸」「朱蛇地獄変」のような話もあるかと思えば、改心した盗賊の哀しくも少し心の温まる「師走念仏」など、今回も秀品揃いです。
2回続けて手抜きの紹介ですが、同じシリーズの本を何度も紹介するのは、私自身あまり気乗りがしませんので、まあ許してチョンマゲ!
(この記事は七尾市立中央図書館(ミナクル3F)から借りてきた本を参考に書いています。)
ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです!
←ランキングに参加しています!