円空に関しては、最近
「円空鉈伝」という本を読んだことがある。それからまた関心が増し、
この本( 『円空巡礼』(後藤英夫・長谷川公茂・三山進著・新潮社)を七尾市立図書館で見つけて借りてきた。今日は雨降りで、ちょっと暇だったので、昼間の空いた時間帯を利用し半日で読んでしまった。
「円空鉈伝」では、円空の謎に満ちた部分を想像でカバーしたフィクションであったが、こちらは、著者の3人とも円空に魅せられ、彼が彫った像を全国各地を廻って調査し、円空の研究をしている人である。
私もかなり魅せられた一人に入るのかもしれない。彼は江戸時代初期の人物である。天台密教の修験者として活動したようだが、若い時期は、禅宗寺院にいたとか、真言密教をおさめたという説もあるようだ。
円空の像は、近畿以東の日本各地に現在4千体以上残っているのが確認されているそうですが、非常に様々は像が残されています。木の素材の形そのままを利用したもの、立木そのままで像を削りこんだもの、荒削りのもの、かなり丹念に彫られたもの、掌に乗るような小さなもの、大男の身長もあるような大きなもの・・・・非常に様々です。
その多くは仏像ですが、かならずしも各仏像の原則にしたがうのではなく、彼の自由奔放な創意で独特なものも数多くあるようです。また柿本人麻呂や、当時の天皇など歴史上の人物も彫ったようです。
石川県には、円空仏は能登の民家に一体確認されているらしい。彼の活動は白山修験とかなり関係していたらしいが、もしかしたら石動山にも来たことがあるかもしれない。円空仏が無いのは、石動山が2度にわたって焼けたからではないか。
まあそんなことはどうでもよい。彼の足跡も興味もあろうが、とにかくまず色々な円空仏を、関連本で見ることをお薦めする。その何とも言えない表情に、あなたも惹きつけられるかもしれませんよ。