佐藤一斎氏やその主著「言志四録」の名を聞いても知らない方もかなりいるだろう。まずはそちらを紹介する。
佐藤一斎は、幕末にあって日本の儒学の大成者として尊敬を集め、その主著「言志四録」は当時知識人の間で絶大な支持を得ていた。
また幕府直轄の教育機関・昌平坂学問所のトップの地位にあった人物であり、つまり今でいうなら東大の学長のような役職。
この「言志四録」は、人生哲学的な知恵が、簡潔かつ的確な言葉で言い表され、沢山収められた4篇からなる本であり、その中の多くの文章がが箴言の様に信奉者の間で扱われてきました。
彼の門下には数千人が学び、弟子の中から、佐久間象山や横井小楠らがおり、象山門下から吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬らが輩出したことを思うと、如何に影響が凄いか分かる。
また西郷隆盛は、この「言志四録」を通して佐藤一斎に私淑していたようで、「言志四録」から101条を自分で選び抜き「手抄言志録」と名付けて肌身離さず持ち歩いていたそうです。
つまりこの「言志四録」幕末維新の重要人物は皆影響を受けたと言って過言ない書物でした。
今回斎藤孝氏は、この「言志四録」を紹介するにあたって、全部で1133条ある中から、印象を強く受けた文章を独自に選別し、解説を加えてまとめたた様です。
私はこの書を30年程前に知ってから、佐藤一斎氏や「言志四録」を紹介した本や雑誌記事など何度か読んだ事がある。
今回この斎藤氏による紹介で、あらためて、いいなぁと感じている。
「言志四録」は、やっぱ名著!
本当は幾つか「言志四録」の文章を引用すればいいのだろうが、今回はもうかなりボリュームが大きくなっているので、この辺でやめておく。
おススメの1冊です。