私は山中伸弥教授とは同い歳である。
50代にもなると、同い歳の人、場合によっては母校の同級生が色々な方面で活躍している情報が色々入り刺激になる。
山中教授がノーベル医学・生理学賞を受賞する何年も前にNHKの『ニュースの窓』で、日本が国としてiPS細胞の研究に取組むよう訴えているのも偶然目にしている。
あの時は、まさか同い歳の人とは思わなかった。驚いただけに尚更刺激になった。
といっても私はしがないブルーカラーの機械などの修理屋。
今更頑張っても、伸び代は限られているので、今までの生き方を反省せざるを得ないが、それでも刺激を受けないよりは受けた方がマシだと思ってる。
興味を持った事( 特に現代を牽引する事項に関して)は、出来るだけ本を読んで、理解出来る範囲で理解し、苦手意識は意識して抑えたいと考えて、自分なりに努めているつもりだ。
実は、今から30年以上も前の高校時代、理系クラスにいたが、生物学はあまり好きではなかった。
生物学の先生がDNAなどについて聞いても教師自身がいいのに答えられないような感じだったので、化学などに比べたら、生物学は分かりづらく面白くなかったのだ。(30年ほど前は、DNAを学生時代学んでこなかった教師がまだいた)
何と大学を卒業して、電気メーカーに就職してから、非常に興味を持つようになった。
契機は、下水など水処理関係の部門にまわされたこと。そのメーカーではそれ用の計測機器なども製作していたが、中でも微生物の活性度を調べるセンサーがあり、その商品がATP(アデノシン三リン酸)の濃度を測るものだった。
つまりその仕組みが気になったのが契機だ。
以来次第に生物学そのものに興味が湧き、以来DNA、ゲノムといった分子生物学などにはまり、今までにそういった関係で読んだ本をチョット調べてみたら50冊を優に超えていた。
iPS細胞、ES細胞も勿論興味をかなり前から持っており、大朏(おおつき)博善氏の『ES細胞』、八代嘉美氏の『iPS細胞』なども読んでいる。
iPS細胞というと、マスコミ的には再生医療ばかり注目を集めている感じだが、遺伝子的に問題のある細胞を患者から採取し、iPS細胞を作る手法で培養し、それを研究することによって病気の原因を研究するのに非常に有効な手段という話も載っていた。
山中教授は、それでも実際に患者に応用するまでには徹底的に慎重に運ぶつもりである事を書いておられたが、その通りだと思った。
急がば回れ、である。
これからもどんどん研究を進めて、早く色んな用途て応用され、医療の発展に役立って欲しいと思う。
この本は先に挙げたES細胞、iPS細胞に関する2冊と比べても、分かり易くそれらの入門書としても最適ではなかろうか。
おすすめの1冊です。
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