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<百字紹介文> 笹沢左保氏の八州廻り(関東取締出役)を主人公としたミステリー仕掛けの短編傑作集である。全6話。著者は亡くなって久しいが、これを読み私は笹沢氏はやはり池波正太郎氏等と共に娯楽時代小説の大家だなと感じた。 <詳しい紹介文> 笹沢左保というと40代後半以上の方は『木枯し紋次郎』を思い浮かべる方も多かろう。 彼は、紋次郎シリーズ以外にも、現代ものを含め多くのミステリーや、捕物帳などの時代小説や、歴史小説も遺している。 中には、小林一茶や杉田玄白を、探索の中心においた捕物小説などもあり、歴史的有名人を主人公にした捕物小説の草分け的作品もある。 他ジャンルにわたる作品を書いた作家という訳ではないが、それぞれのシリーズ・作品ごとに、登場人物などの設定に趣向を凝らして、飽きのこない佳品に仕上げているので、私も多くの作品を読んでいる。 今回は、八州廻りを扱ったミステリー仕立ての短編傑作集である。 八州廻りとは、正確には関東取締出役と呼び、勘定奉行の支配下にあり、関8州(上野、下野、常陸、武蔵、安房、下総、上総、相模の8カ国)を巡回して、同地区を盗賊や浪人物、無宿人などを取り締まる広域警察のようなものである。 この関八州は、大名領地、大小の旗本領地、寺社料、天領が入り乱れていたため、悪人が跳梁跋扈するには非常に適した地域であった。 なぜなら封建制度で領主ごとに支配が別のため警察機構が統一されずバラバラ。と言うより旗本領、寺社料、天領などでは警察力をもっていない事の方が普通であった。 江戸前期は、関東の広い地域に散らばる天領を伊奈家が取り締まる時代もあったが、伊奈家がとり潰され、多数の代官による支配に変えられた。その後、江戸幕府が財政難などなるにしたがい悪人どもはさらに関東に巣食うようになる。 そこで文化2年(1805)に設けられたのが、この「八州廻り」こと「関東取締出役」である。 この八州廻りは、関東地方の各代官配下の(主体をなしている役人の)手代、手付きから優秀な者を選んで任命され、二十五両五人扶持程度の身分であった。江戸では木っ端役人に過ぎぬが、その権限や権力は大変なもので、江戸以外の地域では「八州さま」と呼ばれ、畏怖された存在であった。 今では佐藤雅美氏の『八州廻り桑山十兵衛』シリーズなど、八州様を描いた小説もかなり増え、その制度をご存知の方も多かろうと思う。 でもまだ江戸町奉行所や、『鬼平犯科帳』で有名になった火付盗賊改方と比べると、知名度はかなり落ちるような気がする。 この短編集では、文政年間に絞り、八州廻りを主人公とした話を6つ収録している。 (ただし全てノンフィクションであろう) 第1話 “闇の四天王”の罠 -八州廻り 浅野親兵衛仕事控 第2話 魔性の肌 -八州廻り 大西平八郎仕事控 第3話 “雷神”を殺した女 -八州廻り 伊那源内仕事控 第4話 女色の代償 -八州廻り 小田切主膳仕事控 第5話 甘い餌 -八州廻り 柴田外記仕事控 第6話 お旗本の秘め事 -八州廻り 風間伊八郎仕事控 いずれの事件にも、八州廻りを惑わすような謎があり、その謎を解きながら真犯人にたどり着く。ただし時には、犯人を暴く際などに彼らの悪党の抵抗などにより死に至る結末も幾つか出てくる。 全部のあらましは紹介できないが、第6話だけ少し紹介しておこう。 八州廻りの柴田外記は、巡回先で四人組の凶悪な盗賊「天狗組」の一人、勘三郎を捕らえたが、捕らえた時に負った傷がもとで死んでしまう。彼の口から、何の情報も得られなかったが、松戸宿はずれの「京太夫屋敷」に目をつけている情報だけは彼から入手した。 そこがやつらの次の目的地に違いないと考えていたところ、果たして「京太夫屋敷」が「天狗組」に襲われ、主人以下奉公人の多くが縛られ、下女二人は陵辱されて殺されたと一報が外記に伝えられた。 外記が京太夫屋敷へ出向き調べてみると、確かに殺された下女2人とそれ以外の者は縄で縛られ猿轡された状態で見つかったが、事件に1つ大きな謎があった。 事件の夜は、雪の夜であったが、3人組が襲来した際は雪が降っていた。やって来た際の足跡が雪に埋もれて足跡が消えたのは分かるが、彼らが帰って行った時間帯は雪は降っておらず、その際の賊たちの足跡が残っていない点である。 一体賊どもはどちらの方面へどうやって逃げ出したか?・・・・ 科学的捜査が行われなかったこの時代、ミステリーの多い事件は、強引に決着をつけるため冤罪もさぞ多かったことだろう。 八州廻りなど捜査責任者の、このような謎解き能力・推理力とその査証というか確認能力の有無が、真の犯人に辿り着く確率を大きく変えたかもしれない。 それだけに小説に描かれた優れた犯罪捜査官(八州廻りを含めた)は、洋の東西を問わず、ヒーローとなる。 八州ものは、八州廻りという存在自体がまだ知名度が低いせもあり、まだまだ少ない。もっと多くの八州ものミステリーや捕物帳が登場することを期待したい。 時代小説ファン、ミステリーファンにお薦めの一冊である。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ■
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by une_genzaburo
| 2013-06-18 07:52
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