by une_genzaburo
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<百字紹介文> 何年か前、NHKの「仕事の流儀 仕事の流儀」で無農薬の‘奇跡のリンゴ’を作った事が紹介され有名になった木村秋則氏の事跡や素顔に関して、彼自身の文章及び彼を支援し支持した仲間たちの文章も纏めて1冊にした本。 <詳しい紹介文> 木村秋則氏を知ったのはそう遠い昔ではない。 昨年5月に読んだ羽咋市の高野誠鮮著の『ローマ法王に米を食べさせた男』の本においてである。その本で木村氏に関心をもった私は翌月には木村氏自身の『リンゴが教えてくれたこと』(日本経済新聞出版社)を読んだ。 「奇跡のリンゴ」作りに成功するまでの経緯に関しては、その本と大分重複するところもあったが、いい復習になったと思っている。 ただし木村秋則氏が全国区レベルで有名になったのは、NHKの「仕事の流儀 プロフェッショナル」に出演してからだというが、私は残念ながらそちらは視ていない。 この本は、先に述べたように他の著と重複する部分もあるが、彼を支えた親友たち、彼に共鳴した人たちが語る木村氏の自然栽培のあり方や彼の姿・主義・魅力が存分に語られた好著となっている。 ところで私自身、市から畑地を借りて野菜作りをしており、もう約7年間になる。 私が申し込んだのではなく、親であるが、その後、実作業をしているのはほぼ私一人であり、今では私の趣味の1つになっている。 最初から無農薬・有機栽培に取組み、7年経った今、自分では結構いい土が出来たと思っていた。 他の人の畑の土は白っぽいが、私の区画の土は、黒っぽく、耕起してみると、適度に空気穴の出来た塊となっている。畑作りの本では、養分を必用とする野菜などには一番適した土の状態のように書いてある。 しかしその私の畑も毎年のように各種病害虫などにやられている。毎年内容が違うのだ。うどんこ病、黒斑病、モザイク病・…多種多様な病気、虫ではアブラムシ、ダンゴ虫、ウリハ虫・…これまた各種の虫、さらにはカラス、野犬、モグラ、狸、ムジナ、テン、雉・…の被害も。 私は昨年まで、栄養分過多にならない程度に、野菜が沢山稔るような肥えた土を作ることを念頭に、色々生ごみのコンポストや鶏糞などを畑に鋤きこむことを続けていた。 土の状態などを見て勝手にいい土が出来たと自己満足をしていたが、今では木村氏の考えを知り、どうも自分は間違っていたと感じている。 木村氏は作物に病気が出るのは、農薬をやらないからではなく、肥料をやるからだという。彼の自然栽培は、無肥料なのである。それでは年々痩せがちになるのではと思うかもしれないが、そこは自然の摂理を十分研究した成果、マメ科などの作物を周囲に植えるなどして窒素分などを補うのである。 彼の頭の中には、雑草という観念も、害虫という観念も今はないのかもしれない。 農作物の生育に邪魔なものと思えるものは排除するという近代農法は間違いだという考え方のようだ。 私も農薬を大量に使った農法というものには相当以前から疑問を感じていただけに、その考えには興味を惹くものがあったが、彼のやり方は徹底的で近代農法との妥協がない。 人間がお米を育てているのではなくて、土や稲が育てているのだ。リンゴも同じ、土や木が美味しいリンゴに育て上げているのだ、と言う。確かにその通りだ。 彼がそれに最初に気付いたのは、無農薬のリンゴの生産がうまくいかず、自殺しようと岩木山に登った夜である。その夜、彼は山の中の木に自殺用のロープをかけて首を吊ろうとするが、投げる際に、ロープを手から離してしまい失敗する。 その後、ロープをかけようと思った木(暗いためその夜その木をリンゴの木と見間違えていたが、実際はどんぐりの木)をよく視ると、病害虫にもやられず健康的に立っていた。 そしてその木の根元の周囲は雑草で覆われフカフカ状態だった。 これを契機に彼は、無農薬リンゴを作るヒントを得て、無農薬リンゴつくりを始めてから9年後、それに成功する。 百姓は、無から有を作るが、実際に作っているのは彼ではない。百姓はあくまでみんなを生かしている存在。土の中のバクテリア、昆虫やカエル、鳥たち、農作物自身だけでなく、共生している動物や雑草、みんなの力を引き出してやればいい作物ができるという。 木村氏に共鳴し、自然栽培の作物の流通を請け負う河名秀郎氏の言葉に、自然栽培の3つの重要な要素が書いてあった。 1、「自然規範」・…自然から学ぶ姿勢 2、「自然順応」…・自然に順応、逆らわない姿勢 3、「自然尊重」…・自然から恵みをもらっているという意識 何とも日本的ではないか。これこそ日本人が忘れてしまっていた古来日本人が長年に亘って得た知恵ではなかろうか。 木村氏が無農薬リンゴ作りに試行錯誤し、苦労していた頃、リンゴの木々に話しかけたそうだ。不思議なことに、彼が話しかけた木は枯れなかったそうだが、彼が話しかけなかった木は枯れてしまったそうだ。 不思議な話だが、私はそこに何かしらの力が実際働いたと信じる。 そういう心で栽培するのが日本人の農業の姿ではなかったか。 私が住む能登では、田の神に感謝をするアエノコトの他、そういった行事がいまだに色々残っている。 ルソーの言葉ではないが、「自然に帰れ」という言葉に従うかどうかが、今後何世紀も人間の歴史が続くかどうかを占うキーワードになるのではないかと今私は考えている。 多くの人に薦めたい一冊である。 (この記事は、七尾市立田鶴浜図書館から借りてきた本を参考に書いています) ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2013-01-09 23:51
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