by une_genzaburo
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<百字紹介文> 免疫細胞療法の1つで有力なANK療法を紹介した本だ。「悪性度の高いがん」をNK細胞が狙い撃ち、再発・転移も従来より少なく、従来より癌の寛解率がずっと高く、副作用も殆ど無く相当希望のもてる療法のようだ。 <詳しい紹介文> 別に私が癌に罹っている訳ではないが、こういう話には興味がある。図書館の新規購入書のコーナーで見つけたので借りてきた。 副題に「最強の免疫細胞を使うANK療法」とあるように、ANK療法を促進しようという団体の本のようである。 免疫細胞療法とは、免疫療法とは全く別物だそうだ。といっても私はどちらの療法もよく知らない。免疫療法とは、病原体やサイトカイン(細胞間情報伝達物質)類、あるいはワクチンやキノコの抽出物のような免疫刺激物質を体に投与する治療法だという。 それに対して免疫細胞療法とは、免疫細胞を体外で培養する療法であることがまず大きく違う。この説明ではごく大雑把である。専門家ほど正確に述べられないが、この後少し説明する。 癌の標準治療には、外科療法(手術治療)、放射線療法、薬物療法の3大療法がある。 前者2つが局所療法であるのに対して、最後の薬物療法は全身治療である。 しかしこれらの標準療法には限界がある。 局所療法は、再発・転移に弱く、免疫力が下がる。また薬物療法の代表である化学療法(殺細胞剤)では、著しく免疫力が下がり、その副作用も大きい。また休薬期間が必要でその間に癌が増殖しやすく、薬剤耐性(多剤耐性)が生じる事などもある。 免疫は、がんを抑制する力を持つが、癌も免疫を抑制する力を持つという。癌に罹患している人は、免疫細胞(T細胞、NK-T細胞、NK細胞など)が大きく抑制されているという。 19世紀の終わり、ウイリアム・コーリーという人がこれを打開しようと、体内の免疫力を強くすれば癌を撃退できると考え、毒性の強い病原菌を強制的に患者に感染させる治療を行った。効果が出た人もいるようだが、亡くなる人も続出したという。がこれが契機で免疫細胞療法が、研究され、幾つかの治療法が生れたようだ。 一般に免疫刺激は、癌を抑える効果が高いとその代わり命に関わるほどの危険を伴うという。逆に癌を抑える効果を低くすれば、安全性は高まるが免疫効果は薄れてしまうというジレンマがある。 1975年NK(ナチュラル・キラー)細胞が発見され、その後、免疫細胞の中でもNK細胞が、ほぼ全ての癌細胞を攻撃することが分かり、活性化により効果が一番出そうな免疫細胞療法の最有力候補として上がってきた。 そこでアメリカで最初に生れた免疫細胞療法がLAK療法であった。 これは体内では癌細胞の免疫抑制という厚い壁に立ちはだかれない、ならばNK細胞を免疫抑制を受けない体外に取り出し培養しようではないかという方法であった。 10数リットル相当の血液からリンパ球を分離採取し、それにインターロイキン(Il-2)を投与し活性化を強めてから体内に戻した。ただそのIL-2は大量投与が必要だった。そのためその副作用が凄まじかった。 この療法は、NK細胞を体外に長時間置き増殖させる訳だが、活性化させたNK細胞は、長時間体外に置きすぎると活性力が落ちた。また強力な攻撃力を持つと自爆しやすく、増殖させると活性化が下がった。 活性化にも増殖にも強い刺激が必要だが、過激な刺激によって活性が高いNK細胞ほど自爆した。ジレンマどころかトリレンマである。 このような矛盾を克服しようと、日本の京都大学で考え出されたのが、ANK(Amplified-Ntural-Killer)療法である。Amplifiedには「活性化」と「増殖」の2つの意味があるそうだ。 その時々の細胞に合わせて培地など調整するので、培養期間は2〜3週間と長く、NK活性はLAK療法の約10倍。量が多いので分けて投与できる。 NK活性が下がる前に点滴による投与で、NK活性を一定以上に保てるという。また出来たものを冷凍保存すれば半永久的に使える。さらに活性が高いためIL-2を投与する必要ななく、副作用もほとんどない。 またANK療法には、3つもの攻撃効果があるという。1つめは癌細胞を直接攻撃する(1次効果)。 体外培養された活性化されたNK細胞が、インターフェロンなど様々な免疫刺激物質を放出することにより、体内で免疫抑制で眠っていたNK細胞をも活性化する(2次効果)。 さらに免疫細胞であるT細胞の一種のCTLも、免疫細胞状態から目覚め、増殖を始めながら、癌細胞の攻撃に加わるという(3次効果)。 このANK療法は、普通他の標準治療などと併用されて行われるようだ。外科治療、放射線治療、薬物治療などによってある程度癌細胞を減らされ、化学療法による薬剤耐性が出てきたところでANK療法を開始したりするのだ。 そうすることANK療法の単独での治療より、大きな効果が得られるようだ。 読んでいると、かなりいいことづくめの癌治療法のようである。 まあANK療法を推奨している人が書いている本だから、それは当たり前かましれない。 ちなみに私の田舎のかなり全国的にも知られた恵寿総合病院のホームページを調べたら、免疫細胞療法としては、ANK療法ではなく、LAK療法を推奨していた。 もしかしたら医者の中でもまだ知名度が低いのかもしれぬ。 この本を読んだ限りでは、かなり期待できそうな治療法である。 ただし今のところ、この治療は保険が効かず高額なので、たとえ私が癌になってもこの治療は受けられぬようだ。 個人的なことは言うのは止そう。 よりいい治療法が開発されることは、とにかく医療にとってはいいことだと思う。 この治療が、今以上に洗練されて普及し、多くの人が受けられる治療になればいいなあと思う。 (追伸) この本には、付録DVDもついており、さらによりよく理解できるようになっている。 見やすい図表(オールカラー)も多く、素人でも分かるようよくまとめてある感じだ。 お薦めの一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-12-23 18:33
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