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<百字紹介文> ベストセラー『葬式はいらない』でお馴染みの宗教学者・島田裕巳が書いた日本の仏教諸派の違いなどあれこれをを書いた本です。主題の浄土真宗が日本で一番多い訳に関しては、実は巻末でちょっと触れているだけです。 <詳しい紹介文> ベストセラー『葬式はいらない』などで有名な宗教学者・島田裕巳氏の本です。 メイン・タイトルを見ると「浄土真宗の話が中心かな?」と思うかもしれないが、実はタイトルにある「浄土真宗はなぜ日本で一番多いのか」という謎については、巻末の数ページのみを当てているだけ。 この本には、日本の仏教諸宗派の主なものが、説明内容の詳しさの度合いの差はあれど、ほとんど載っている。さすがに新興宗教は数がありすぎるので(この本に出てくる宗派の関連内容以外は)載せていないが、戦前以前の仏教はほぼ何かしら説明がある。 法相宗・華厳宗・律宗・成実宗・倶舎宗、聖徳宗、真言宗、天台宗、日蓮宗、日蓮正宗、曹洞宗、臨済宗、時宗、浄土宗、浄土真宗、融通念仏宗・・・さらにはそれぞれの分派まで説明がある。 私がまだ若いが、20代の頃から仏教には深い興味を持つ。 私が住む石川県を含む北陸は、真宗王国といわれるせいもあろう。信者数1位はダントツに浄土真宗であろう。2位は日蓮宗など日蓮ゆかりの宗派、3位は浄土宗または曹洞宗であろう。 近く(能登周辺)に山岳信仰の山が数箇所あるせいだろうか真言宗系の寺院も結構多い。真言宗は調べてみると皆高野山派である。天台宗寺院は全くといっていいほどない。 この本にも出てくるが、能登は曹洞宗にも縁が深く、曹洞宗を全国に普及することに貢献した瑩山紹瑾は、能登に永光寺、総持寺など造った。瑩山紹瑾は、いわば曹洞宗における蓮如的存在だ。道元没後、永平寺が衰退していた中、一時は能登が全国の曹洞宗の中心だったこともある。そのせいか能登には臨済宗の寺は一箇所のみで他は曹洞宗である。 ただ県境を越えたお隣氷見市には臨済宗国泰寺(国泰寺派本山)があるが、信者は25人だけという。この本では、そんな小さな宗派分派まで書いてあるのである。 この本は、新書であるにも関わらずそんな細かな事まで書いているので、一々宗派の記事内容の紹介迄していたら、いくら紙面があっても足りない。 私が興味深く思った点(次の2人の開祖)だけ採り上げ紹介しよう。 まずは真言宗を開いた空海について。この島田氏は、空海は、四国で生まれたのではなく、京あたりで生れた可能性があるという。若い頃空海は、京の大学寮(官僚を養成するための学校)で教えていた母方の叔父阿刀大足に学んでいるが、大足は桓武天皇の第三王子伊予親王にも学問を教えている。これらなど考えると、空海は現在考えられている以上に高い階級出身の人物ではなかったかというのだ。 司馬遼太郎氏や陳舜臣氏の本にも出てくるが、唐へ渡る際、空海は自費で留学している。一方、最澄は今で言えば国費留学生。これを普通は、最澄を空海とは違いエリート留学生と、それをもって待遇の違いを説明して描くのが普通だ。しかし私もちょっと以前不思議に思ったりしたが、空海はではいったい自費留学できる金などをどうして工面できたのだろうか。島田氏は、最澄以上に高い階層の人物だから出来たことと考えている。 それに空海は唐へ渡ってから、他の日本人が驚く程の中国語の能力を発揮している。船が漂着した時、対応した中国人がびっくりするほどの文章を書き、発音も良かったようだ。空海が、留学前から四六駢儷体を駆使しえたというのは、四国で育ったり、諸国を修業のために跋渉したりしていたという経歴からはちょっと考えられないという。 いわれて見れば、確かにそうである。不思議以外の何ものでもない。 この本ではそういう空海の謎も、新たに提示している。 次は我が家の宗旨、浄土真宗の開祖・親鸞。 島田氏は、親鸞は法然の弟子であったにしても、高い地位にあった弟子ではなかろうと推測する。また法然が流罪になったのとほぼ同じ時期、親鸞は越後に行くが、これを普通は流罪と解釈しているが島田氏は疑問を挟む。親鸞は『教行信証』の中で法然やその弟子たちが、5年の流罪を経験したことを書いているが、他人事のように書いている。 島田氏は、親鸞は越後へ流罪になったのではなく、真宗僧侶への迫害がひどくなってきたので、妻の実家がある越後へ避難したのではないかと推測。佐渡の国は遠流(おんる)の流罪の地であるが、越後の国は、当時の遠流・中流・近流のどの流罪の地にも入っていないのだ。それに親鸞は、法然に許しが出ても、京には帰らず笠間など北関東に20年ものあいだ活動を続けている。 親鸞は、東国で親鸞が活動を展開するにあたって、人々が求める悪人正機や他力本願の考えを深めていったのではないかと推測。おそらく現在の真宗の僧侶たちは認めぬだろうが、非常に面白い説である。 他にも日蓮正宗と創価学会の関係や、空海に比べ目立たぬ最澄の天台系から最澄の不足の部分を補おうと多くの俊英が出た話など(司馬遼太郎氏なども同様の意見は述べているが)面白い話がたくさん出てきます。 新書ながらも、宗教のあれこれについて、ギュッと詰めこんだ本となっています。 そういう意味ではお得な一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-10-17 09:15
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