<百字紹介文>
『妻は、くの一』シリーズの第9弾。開国の夢に向けて本格始動した静山。彦馬にその活動の為の船の船長になれと命令し寺子屋を辞めさせ船に乗せる。織江は彼と合流する為浦賀を目指すが、そこには数多の追手も・・・
<詳しい紹介文>
『妻は、くの一』シリーズの第9弾である。
国を開く為の方策として、幽霊船を使った活動を始動した松浦静山は、航海術にすぐれた雙星彦馬(主人公)に船長になれと命令。それにより彦馬は1年半以上にわたって勤めてきた法深寺での寺子屋の師匠役をやめることになる。
静山が用意した幽霊船にのって長崎まで行き、そこからさらに南蛮船(彦馬が船長)に乗って、ヨーロッパ各国に渡り、日本との交易に乗り出すよう促すよう活動してこいというのだ。
前巻で雙星雁二郎が、長崎へ静山の命令で行ったのも、海外の港々での扱いがよくなるように、シーボルトを通して秘かにオランダ国王の親書をもらうためであった。
雁二郎だが、(出島に忍びで秘かに出入りして)実はシーボルトと以前から交友があった。それで今回の任務となった訳だが、シーボルトからなかなかいい返事を貰えないでいた。
そのうち体調を崩して、シーボルトに診てもらうが、その診立てでは癌だという。果たして雁二郎の今後は?
また織江だが、今までに抜け忍の追手として送られた宵闇順平と呪術師寒三郎を何とか倒し、さて今度は誰が刺客かなと考えていたところ。そこへ彼女の幼馴染お蝶が彼女に接触してきた。
織江は2度ばかりお蝶と両国橋の上で待ち合わせて会った。
2度目にお蝶に対してズバリ「刺客なんでしょ?」と聞くが、お蝶は違うという。
自分は織江の説得役を言われた、川村真一郎は織江に戻って来てもらい妻にするつもりであり、彼女とお蝶ら若手を中心にお庭番を立て直すつもりという。
江戸を立ち去る用意を終えた彦馬は、住んでいた長屋の部屋に「わたしは長崎に向かう。逢いたい」と書き置きし、幽霊船に乗り出船する。
静山は船上で、織江が自分と雅江との間に生まれた娘であることを彦馬に教える。驚愕する彼に、何とかして織江と一緒になって追及の及ばない海外へ連れて行けという。彦馬も出来ればそうしたいが、果たして上手く連れて行けるかどうか・・・。
ところで鳥居耀蔵は川村が織江に執着していることを知る。それによって彼も織江に興味を持つ。さらにはライバル心を燃やして織江を自分のものにしようとする。
鳥居が考えた策は、上様の虎の威を借りて、織江を捕えようというもの。上様を抱き込み、四天王という上様の護衛掛を借りる許可を得た耀蔵。
静山の幽霊船は浦賀に立ち寄るとの情報を得た鳥居耀蔵と四天王、川村真一郎、そして織江が浦賀に・・・・
勿論、巻末は今回も激闘場面である。
これ以上書くと、ネタばれなので(もうかなりネタばれかな(笑い))、粗筋はこの辺でやめておく。
巻の中程から江戸を離れる準備で忙しくなる彦馬だが、今回もそんな忙しさの合間を縫て、奇異な出来事の謎の解決を幾つかしている。
最後に参考に目次を載せておおこう。
序 こころの術
第1話 なんども食う女
第2話 空飛ぶ男
第3話 貴い彫り物
第4話 屋根の上のかかし
第5話 満月は凶
最終巻の第10弾も、近々ここで紹介するつもりです。
乞うご期待!
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