by une_genzaburo
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副題は「ファルマーの最終定理が解けるまで」である。 この「ファルマーの最終定理」の証明までの経緯を描いた本としては、以前『フェイルマーの最終定理』(サイモン・シン著・青木薫訳:新潮文庫)を読んでおり、このサイトでも紹介している。 数学に興味がない人は、「フェルマーの最終定理」と聞いても何の事?という人がいるかもしれない。 1637年(今から370余年前)頃フランスに、王立の議会顧問官の要職にありながら余暇に数学の研究をして、それでいて当時世界で最も優れた数学者だったピエール・ド・フェルマーなる人物がいた。「フェルマーの最終定理」とは彼が所蔵する『算術』という本の余白に書きこまれた簡単なコメントで示されていた有名な定理のことである。 今「定理」と書いたが、フェルマー自身はそのメモ書きに、自分はその証明を思いついたと述べているが、「それを記すには余白が小さすぎる」とも述べ、結局その証明を残さなかった。(よって本当は内容が示す事柄が正しいと証明が示されない限り「定理」とは言えないのだが、昔からこう呼びならわされてきた) その「定理」とは、 「X^n+Y^n=Z^n (Z^nはZのn乗の意味) この方程式はnが2より大きい場合は整数解を持たない」というもの。 n=2ならピュタゴラスの三平方の定理の関係式だから、勿論あるのだが、n>2の自然数のべき乗の場合、この式を満たす自然数は解は存在しないというものだ。 定理の式自体は、小学生でも理解できる簡単なものだが、何とこのメモが書かれた1637から1995年まで、各時代の世界を代表するような数多くの数学者が、この「定理」の証明に挑戦し、破れ去ってきたのだ。 数学史上「最大の難問」といわれてきた所以である。 それが20世紀ももう終わろうとする頃に、イギリス出身プリンストン大学教授のアンドリュー・ワイル図によって遂に証明されたのだ。 定理が完全に証明されたのは1995年5月だが、ケンブリッジ大学での最初の発表(1993年6月・この時は結局証明が不完全であることが後に判明)以降、ニュースでも採り上げられ結構話題になっていたのを私は覚えている。 完全な証明後に確かNHKでも確か特別番組(BBCが放送したもの?)を放送していた記憶がある。ただし私はその頃、仕事が忙しかったのでその番組は残念ながら視ていない。 この本は、先に挙げた『フェイルマーの最終定理』(サイモン・シン著)と少し趣が違うように思う。ボリュームを比較すると少し少ないという違いなどでは勿論ない。 この定理の証明は、アンドリュー・ワイルズというただ一人の数学者による仕事の成果と言うには程遠いものであると著者は言う。 そして「ワイルズの証明を構成する要素のすべては他の多くの数学者たちの仕事に負っている。だからフェルマーの最終定理のこの証明には実際には、20世紀に生きた非常に多くの数学者たちが-そしてフェルマー自身を含め20世紀以前のすべての先駆的数学者たちが-達成のい成果なのである」と述べる。 私流の言い方で表現するなら、この本は、ワイルズとう同年代の数学者のみならず彼以前の偉大な数学者の業績に注目し、その上で、この定理はその数学の偉人たちが築いてきた「数学史の全成果」という山の頂上に立って眺望してこそ初めて証明可能だった定理だった、といっているように思えた。 勿論前掲著でサイモン・シン氏の本の方でも、この定理に関係した主な数学者や定理などについて、古代から現代に至るまでその歴史を述べている。 があちらは基本的には、ワイルズが長年月の間、孤独に悪戦苦闘し、それまでの数学史のほぼ全ての成果を総合するかのような努力をしてきた姿に注目してドラマ的に描いていたように思う。 ところでこの定理の証明では、ピュタゴラスなど古代の数学者から、オイラー、ガウス、ガロア、アーベル、フィボナッチ、フーリエ、etc・・・といった偉大な数学者、現代の世界的数学者まで多くの数学者が関わってくる。 そしてそれらの数学者の中で、谷山豊、志村五郎、岩澤健吉という日本人が挙げた成果が、この証明の中で大きな役割を果たしている。 この本を読めばわかることだが、ワイズマンが子供の頃からの夢であった「フェルマーの定理」に取り組むことを決断したのは、谷山-志村予想と呼ばれていたものが証明されれば、フェルマーの定理が証明される可能性が大と気付いた時だった(実際、一番の鍵となった)。 またケンブリッジ大で行った1993年の最初の証明の内容に欠陥が発見されて、その後、彼が証明の再検討をしていた時、彼の欠陥を修正する一番のポイントは岩澤理論というものだった。 この本では、その3人の日本人の数学者の成果を高く評価している。そして一時期、志村氏の予想の成果を横取りするかのような別の数学者があった経緯なども説明、数学史上の人間臭いエピソードなども多く採り入れ興味深く描いている。 最後に一言述べておくと、この本は数学史上最大の難問に関するドラマを描いた本とはいえ、数学がある程度得意でないと理解できないような本ではない。 アメリカで書かれた一般向けの本だ(アメリカでは理科系の問題を扱った本も、一般向けならば、可能な限り数式を使わないのが通例だ)。 少々数式もでてくるが、理解できないようなものはほとんどないはずだ。 言葉だけで出てくる数学用語は、その意味は深く気にせず、読み進めばいいと思う。 数学がいかにして築かれてきたかも楽しく学べる良書です。 ←ランキングに参加しています
by une_genzaburo
| 2011-08-27 18:39
| 読書
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