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著者はスリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)の長老で、現在は東京にある日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事し、ブッダの根本の教えを説いている方だ。 早速内容の紹介に入る。 昨今人々が何かとイライラし怒っている。これをブッダは真っ向から反対したと言う。「怒ってよい理由などない。怒りは理不尽だ。怒る人は弱者だ。怒らない人にこそ智慧がある。怒らない人は幸せを得る。」と著者はブッダの考えを述べる。 ブッダによると、人間は「怒り」と「愛情」で生きているおり、その感情は両方とも一瞬にして芽生えるもの。怒りが芽生えた時に消すのが一番いいと説く。 パーリ語(古代インド語)では、「暗い感情」をドーサ(dosa)といい、また「怒り」をヴェーラ(vera)といい、「暗い感情」(dosa)が強まると「怒り」(vera)になると説く。 このdosa (暗い感情)はvera(怒り)以外にも色々あり、ウパナーヒー(怨み)、マッキー(他人を軽視する性格)、パラーシー(張り合うこと、競争心)、イッスキー(嫉妬)、マッチャリー(物惜しみ)、ドゥッバチャ(反抗的なこと)、クックッチャ(航海)、ビャーパーダ(激怒)などあり、仏教では皆否定しているとか。 Dosa があまりにも強くなるとveraというレベルに上がってきて、様々な行動の中で種々のものを破壊するといいう。真っ先に破壊するのが自分で、自分を破壊した後、他人をも破壊する。怒りは世の中の破壊の原因だという。 この一瞬に芽生える「怒り」は、起こるのは誰のせいでもなく自分のせいである。なぜ起こるかといえば、人間の性で「私は正しい、相手は間違っている」と思うからだという。人間は人前では建前として、「私はダメな人間だ」と一応謙虚さを見せながら、心の中では「絶対そうじゃない。私は絶対正しい人間だ」と考えている。 「私は正しい、とはいえない。私は不完全だ。間違いだらけだ」ということが心の中に入ってしまうと、人は怒らないという。 コミュニケーションの手段である言葉は、完璧な表現は無理で、正しくない。不完全なものだ。その言葉を不完全な我々が精一杯選んで話したところで、これまた不完全な相手に上手く伝わる保障など何も無いということを理解している必要があるという。 「自分は完全でないし、他人にも決して完全な結果を求めない」という思考が、この世で落ち着いていられる秘訣と説く。 人間の心は、苛められたとか都合の悪い事だけ覚えていて、受けた恩など役に立つことはコロッと忘れるという。「我=エゴ」が妄想概念を作るという。 ではこれから逃れるにはどうしたらいいか。ストレスの発散の仕方は、ここでは否定し、「怒り」が生まれるのは心の中だから、自分を直すことによって、怒りから逃れることができると説く。 仏教では「正しい怒り」など存在しないともいう。怒りは自分を焼き尽くす「火」であり、怒る人は他人の幸福と生きがいを盗む大泥棒だと言う。その他人から奪った幸福で自分が幸福になる訳でもなく、自分で怒り苦しむ。他人の幸福まで壊して他人まで巻き込む。よって怒ることは泥棒の中でも一番悪い泥棒だとも説く。 また世の中で、怒る人ほど頭の悪い人はいないという。智慧も湧いてこないし、明るさも無い。適切な判断もできず、そんな状態は、人間でも動物でもなく、動物以下だと。人間は怒った瞬間に「完全に最低な無知な人間」になり、怒れば怒るほど、我々は自分の無知を刺激してどんどんバカになる。つまり「怒る人間になる」ということは、人間を捨てたことだという。 この怒りから逃れるため、例えば悪いことをした人への対処として、「無視」などの方法も教える。が、この無視が意外と難しく、心の中で相手に対する感情が渦巻くのは本当の無視ではなく、本当の無視とは、相手が行動を改めるかどうか静かに見つめながら、まるで相手がその場にいないようにするのが、本当の無視だという。凄いテクニックだと思った。 こういう発想が出てくるのは、仏教では、悪いことをした人に怒るという発想はなく、鏡を見させるように、自分を客観的に見つめ自分で反省させることが重要と考えているこからだ。 面子など捨て、「壊れた鐘のようになれ」という。罅が入った鐘なら、叩かれても音は出ない。何があってもびくともしない心を作ることが必要だと説く。 仏教では、怒りは自分の心の中で生ずるものだから、怒りを観られた瞬間、怒りは消えると言う。よって「今の瞬間に気付くこと」が、世の中で一番科学的な、怒りの毒を消す方法だ。 エゴを捨てなさい、人にどなたかと尋ねられても、肩書きや社会的地位など述べるような生き方をせず、名前だけのただの人間になれ。「自分は偉い」と言うエゴを捨て、ただの人間と思えと説く。 また「生きがい」などに拘るな。拘るからそれが無くなるとdosaが生じ、veraが生じる。何があろうとも拒絶せず、状況を受け入れて楽しみなさい。自分がすべきことを精一杯やればいい。勝ち負けなど一切関係ない。 怒りは負けたと同じ。幸福になるよう笑いなさいという。「家の中にいても、家の外にいても笑える。仕事がうまくいっても、仕事が失敗しても笑える」という自分の心一つでいつでもできる笑いを心掛けよと説く。 色々書いてきたが、著者は「怒らない」ことが平和など奇蹟をもたらすという。 そのためにも「我々は怒ることは恰好いいものではない」恥ずかしいこととキチンと理解し、怒ったら自分は 精神的にも肉体的にも弱いんだと思うことを奨めている。 先日読んだ新渡戸稲造の本(『自分をもっと深く掘れ』)にも通じるところが多い本だ。 この人の本は初めてだが、何か今後ハマっていきそうなほど、惹き付けられたいい本だ。 どなたにも薦めたい1冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2010-11-15 06:56
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