昭和54年8月1日発行
著者:鹿苑一宇
編集発行所:浄土真宗本願寺派出版部
印刷:石田大成社
タイトル:七高僧とその教え -親鸞聖人の宗教批判-
昭和54年発刊の古い本の上に、ISBNコードさえない本なので、おそらく今では入手するのが困難な本だろう。先日『教行信証』について書かれた本を読んだ際、さらに理解を深める本はないかと、我家の本棚を探して見つけた本だ。
七高僧(しちこうそう)とは、Wikipediaによると、「浄土真宗の宗祖とされる親鸞が選定した7人の高僧のこと。「正信念仏偈」の依釈段、『高僧和讃』に示してある。」
今では、浄土真宗の御開山として仰がれている親鸞だが、聖人自信には(新たな宗派の)開山という気振りは生涯全く見られず、「浄土真宗とは弥陀の本願」であり、そのことを私たちに知らせようと、お釈迦様がこの世に出られ、その釈迦様の教えを七高僧がインド・中国・日本の三国に伝えられた、と言っている。
七高僧をここで列記しておくと、
第1祖は、竜樹菩薩です。私などは、世界史でナーガールジュナと習いましたが、あの人です。AD150年頃~200年頃のインドの人。
第2祖は、天親(てんじん)菩薩です。これも私などは、世界史でヴァスバンドゥまたは世親とならった人物。AD300年頃~400年頃のインドの人。兄は、アサンガ(無著)として、こちらも唯識派の僧として有名。
第3祖は、曇鸞大師(476-542)で、中国の五大山近くで生まれた。
第4祖は、道綽禅師(562-645)で、中国の并州汶水生まれの人。
第5祖は、善導大師(613-681)で、中国の泗州、あるいは臨淄生まれといわれる。
第6祖は、源信和尚(942-1017)、平安中期の天台僧侶で、「恵心僧都」(えしんそうず)と尊称される。『往生要集』3巻を著したことでも知られ、その書は中国に逆輸入され、皇帝にも愛読されたとか。
第7祖は、法念坊源空(1133-1212)で、親鸞の師であり、浄土宗の開祖とも仰がれる人。『選択本願念仏集』などの著がある。
この本は、西本願寺のおそらく門徒向けに書かれた本なので、読者は信心深い人が多いのだろう。(常識である、と言うがの如く、経典の訳語など)多少細かい事は説明を省いているので、初心者にはちょっと分からない用語・箇所もあるかもしれない。ただある程度知識があった場合、このように系統立って説明されると、結構分かったような気になる。
この紹介文を読んでいる殆どの方は、この本を入手するのは困難だろう。よってこの程度の事を書いても、ああそうですかとそれで終わるだけだが、かと言って七高僧の説明を、またここであらためて要約するのも大変だ。よってそのような内容の本本だということで勘弁してもらいたい。
という訳でこの辺で紹介を終えたい。
あしからず。
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