学生時代を卒業してから早うん十年だが、科学にはいまだに非常に興味がある。最近人気の脳科学、また分子生物学、触媒とかプラスティックなど化学・・・・。でも特に関心が惹かれるのは物理学。相対性理論、素粒子理論、宇宙論・・・。
完全に理解出来ても出来なくても、そういう関係の本を読むのが結構好きだ
小柴昌俊先生が書いた本も、3冊ほど読んだ。
そういった物理関係の本の中で一番大事(私の場合、大事にするというのは手垢が付くほど使いこんでいるという意味。普通の人とは逆。)にしている本は、一昨年ノーベル賞を受賞した南部陽一郎氏の『クオーク』(講談社ブルーバックス)だ。ノーベル賞を南部氏が受賞する前から、これは難しいが凄い本だと感じでいた。全体ではないが、何度も読み返している。多い箇所は4,5度くらいは読んでいるのではなかろうか。最初は、理解しにくいところもあったが、今はかなり理解しているつもりだ。今回も、この本を読むにあたってかなり役に立っていると思う。
Amazon.co.jpの本の紹介に詳しいので、そちらをいつものように転記する。
「“目で見るニュートリノ”研究成果が目で見てわかる
◆図版多数! オールカラー!
◆わかりやすく研究成果を紹介します
◆ノーベル賞受賞講演全文(和文・英文とも)を収録!
◆東京大学総合博物館にて小柴昌俊名誉教授ノーベル賞受賞記念特別展示
(平成15年1月16日=同日東大が記者会見~6月20日)
小柴昌俊名誉教授は、宇宙ニュートリノの検出へのパイオニア的貢献により本年ノーベル賞を受賞した。小柴名誉教授のノーベル賞受賞は、ともすれば実利に傾きがちな先端科学全盛の時代にあって、基盤科学の重要性を示し、科学は文化的な所産であることを世に認識させた。本書はその研究成果のみならず、そこにいたった着想の過程を辿り、その中でも中心的な位置を占めたカミオカンデ、スーパーカミオカンデを詳細に紹介する。
【内容】
・小柴名誉教授の着想のバックグラウンド
(インタビュー/基礎科学の重要性)
・カミオカンデ・スーパーカミオカンデとニュートリノ
(ニュートリノとは/実験装置としての特長/チェレンコフ光の観測装置/太陽ニュートリノ/超新星ニュートリ)
・CERN(欧州素粒子物理学研究所)と電子・陽電子衝突
(目的/実験装置としての特長/成果)
・神岡鉱山の立地条件
・ノーベル賞受賞講演全文(和文・英文)」(出版社/著者からの内容紹介)
「小柴名誉教授のノーベル賞受賞は、先端科学全盛の時代にあって、基盤科学の重要性を示し、科学は文化的な所産であることを世に認識させた。その研究の中から、カミオカンデ、スーパーカミオカンデを詳細に紹介。」(「MARC」データベースより)
色々書いてあるが、この本を読んでニュートリノを理解しようと思うのはやめておいた方がいい。その辺りは、素人でもわかるような親切な書き方はしていてない。
そもそもニュートリノなど素粒子の話を簡単に学ぼうという考えは捨てた方がいい。 手っ取り早く学びたいなら、多少難解でも、南部陽一郎氏の『クオーク』などのブルーバックスの素粒子関係の本を、何度も読み返す事をお薦めする。
ではこの本は、そういう基礎教養がないと読めないかといえば、そうでもない。理解できなくても雰囲気を感じることで、科学に興味を持つというメリットは大いにあると思う。
この本はそういう本ではなかろうか。科学の詳しい内容がわからなくてもニュートリノ天体物理学というものがどういうものか概略は掴むのには適している。
それだけに私は、高校生など若者には大いに読んでほしいものだと思う。
私も、今回この本の大半を理解できたという訳ではない。超新星爆発ニュートリノ、太陽ニュートリノ、大気ニュートリノの違いを今まであまり意識していなかったが、この本ではその辺の性質の違いをあらためて認識させてもらった。まだまだ素人レベルだ。
この本は、最新のニュートリノ天体物理学の本ではない。もう発刊されてからでも7年以上経つ。その後も、大いに進展しているはずだ。
私も、まだまだ浅学だ。最新研究内容とそうでない内容とが区別がつくほど知識はない。
これからも弛まず知識を吸収するよう努力したいと思う。
(この記事は七尾市立田鶴浜図書館から借りてきた本を読んで書いたものです)
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