澤田さんの大ファンなので、もちろんこのシリーズは第1作から全て読んでいる。これで4作目である。
今回は、この本全体を通して藤蔵という人物が登場する。京都の裏店の長屋に住まいし数珠屋の下請け仕事をする夫婦者だが、主人公の宗因と同じく元武家らしく、宗因は自分の居酒屋に船曳きの弥助とともにあらわれた時、親指のつけねに出来たクチナワ(剣術の練習で出来るたこのようなもの)で、すぐに見抜いてしまう。宗因は訳ありにみえるこの者を、角倉家の船曳き人足に雇ってもらうよう周旋する。
巻頭の作の事件で、藤蔵は剣術の練達のほどを垣間見せる。宗因は、元武家でありながらが、このように隠れて暮らそうとする姿に、敵持ちではないかと想像したりするが、そうでないことなど解る一方でさらに謎が深まる。その後藤蔵は、徐々にその正体を明かしていくことになる。そして宗因と一緒に色々な事件を解決していく。
私は「こりゃまたこのシリーズに登場するキャラクターの常連が増えることになるのかな」と思ったが表題作でもある巻尾の「篠山早春譜」では、藤蔵は、怪しい武家姿の者どもに長屋の周辺や木屋町界隈を探られ、身を船小屋に隠すが・・・・
どう?興味持ちました? 一読お薦めしますよ
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