私は、禅宗(曹洞宗、臨済宗、黄檗宗に限らず)が結構好きだ。仏教の中では我家の宗旨の浄土真宗に次いで、興味がある。地元石川県出身の、鈴木大拙や西田幾多郎などの影響もあって、今から20数年前、鎌倉円覚寺に参禅したこともある。
学生の頃は、関東にいた事もあって、建長寺や円覚寺といった鎌倉の臨済宗の寺々を巡ることが多かったが、こちら石川県に戻ってきてからは、臨済宗の寺があまり多くないこともあり曹洞宗の寺を訪れることが多くなった。
石川県は曹洞宗との縁が深い。永平寺がある福井県は隣県だ。またこの本に出てくる何人かの禅師も石川県所縁の人物だ。
徹通義介(てっつうぎかい)は金沢の大乗寺の第一世禅師となったし、第二世の瑩山紹瑾(けいざんしょうきん)は、羽咋の豊財院、永光寺、輪島市の総持寺(現在は総持寺祖院)の建立、さらに瑩山の弟子で、総持寺や永光寺で修行した明峰素哲(めいほうそてつ)・峨山韶碩(がざんしょうせき・総持寺第二世禅師)は、曹洞宗を全国に広めたことで有名である。
実は私は、
能登と曹洞宗との関係を今から何年も前に私のHPの歴史のコーナーで少し紹介している。
この本のサブタイトルは、「永平寺の礎をつくった禅僧たち」だ。永平寺の開山禅師である道元禅師、永平寺第二世・懐奘禅師、永平寺第三世・義介禅師、その他、寂円、懐鑑、永平寺第四世・義演など、永平寺の礎を作った人々を簡単に紹介した本だ。
上で「簡単に紹介した」と書いたのは、私が曹洞宗の歴史や教義は、普通の人よりよく知っているつもりだからだが、この本を読んでみて、思った以上にほとんど何も知らない事に気付かされた。それだけに一層興味が増した感じだ。今後も折りにつけ、色々読んでいこうと思う。
臨済宗のことを少し知る人には、臨済宗が教える公案禅と曹洞宗の黙照禅の違いなど臨済宗との違いもおそらく気付くことだろう。細かいことのようだが、じっくり考えると意外と違いは大きいようにも思える。
どちらがいいとも、どちらが好みに合っているとも言わない。例えば公案禅と曹洞禅だが、(いい加減だと言われるかもしれないが)、私にはどちらもそれぞれに有効であるように思う。公案を頭に浮かべながら禅をしたい時は、公案禅をやり、ただひたすらに坐禅したい時は曹洞禅をすればいいのではないか。
このブログでは、坐禅、曹洞宗、臨済宗に関する本を色々採り上げている。興味のある方は、このブログ内の検索機能を使って調べれば、幾つか出てくるはずなので、参考にしてください。
最後に参考にAmazon.co.jpのこの本の紹介文を下に転記しておく。
「坐禅の姿は、さとりの姿である―。永平寺の禅が確立するまでの歴史をわかりやすく綴りながら、道元禅の真髄を師弟間で交わされる問答を通して解き明かす。鎌倉初期、中国から曹洞禅を伝えた道元禅師の弘法への情熱は、膝下に集う有能な弟子たち、懐奘・義介…へと受け継がれていく。“只管打坐、ただひとすじに坐禅をする”。それは仏陀がさとりを得た姿そのものであり、仏陀のごとく生きる証なのである。道元禅の入門書。 」(「BOOK」データベースより)
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