『目にみえないもの』(湯川秀樹著・講談社学術文庫)を読了した |
目に見えないもの (講談社学術文庫 94)湯川 秀樹 / / 講談社
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湯川秀樹氏の本は昔(高校時代)から大好きである。本人は、文章は上手くないと何度も述べているが、下手なエッセイストや評論家と比べれば、湯川氏の文章の方がよっぽど洗練され奥が深い。湯川氏は、だから私の尊敬する日本の学者のトップ5の一人です(ここでは他は特に記さない)。
ちょっと周囲の本棚を見回して探してみたら、『学問と人間』(岩波書店)、『学問の世界 対談集』(岩波書店)、『天才の世界』(続編も含めて3冊、三笠書房)が見つかった。勿論全て読んでいる。他にも図書館などから借りてきて数冊読んでいると思う。
実はこの本(『目にみえないもの』)も一度読んだ記憶があるのだが、読了した事を書いたメモ書きが見つからなかったので、もしかしたら未読了かと思い、あらためて読んでみた。
この本は湯川氏がノーベル賞を受賞してまだ数年の、30代の若い頃に書かれた本らしい。でももうこの頃から、物事の深遠を見極めるような洞察力に富む内容で、といっても理知に頼りすぎず、その内向的な繊細な感性で品のいい美しい分かり易い文体で書かれている。簡単に言えば、もう文句のない文章だ。
その本を紹介する私の方としては、かえってやり難い。奥深いいい事を沢山書いてあるだけに、要約などで紹介しようと思うと、劣悪化するばかり。“俺の紹介文などどうでもいいから、兎に角この本にはいい事が書いてあるんだから、全部読んでくれ”と言いたくなる。また私などが、湯川さんの本を要約するなど恐れ多いというか烏滸(おこ)がましいという理由もある。
まあ一応紹介しよう。目次をまずは参考に示したい。
第1部
理論物理学の輪郭
1.自然哲学、2.近代科学、3.現代物理学
古代の物質観と現代科学
1.古代インドの自然観、2.現代物質観との対比、3因果と時間の問題
エネルギーの源泉
1. 物質の構造、2.放射線の本体、3.力とエネルギー、
4.原子内のエネルギー、5.太陽のエネルギー
物質と精神
1. 2つの通路、2.物理学の世界、3.物質から精神へ、4.科学の根源
第2部
半生の記
ガラス細工
少年の頃
二人の父
第3部
物理学に志して
科学と教養
真実
未来
日食
眼の夏休み
読書と著作
話す言葉・書く言葉
『現代の物理学』
『物質の構造』
『ピエル・キュリー伝』
目と手と心
目に見えないもの
思想の結晶
解説・…片山泰久
第一部は、上の目次をみてもお分かりのように、物理学に関してのことだ。古代の自然哲学から近代科学、そして現代科学と、ざーっと科学史を概観。今日(当時)の素粒子論、量子力学までを述べ、理論物理学の輪郭を説明。また古代の物質観と現代の物質観も対比し、素粒子論が論じられる現代的な意味での因果と時間の問題をあらためて考えてみたりもする。
エネルギーの源泉の話も面白い。今日の物理学から見れば少し古臭い用語、分類で説明している箇所などもあるが、基本的には今と変わりはない。極微の世界では、光子など粒子によって力のやり取りをするという事や太陽エネルギーの源泉の仕組みに関しては、あらためて復習させてもらった。物質と精神との関係まで述べた箇所は、湯川氏らしいという気がした。
第2部は、京都時代、大阪時代、昔を振り返って、実父小川琢治や養父湯川玄洋、それに恩師や学問の遍歴の話。少年の頃の話が述べられている。
第3部は、各タイトルのエッセイと考えて差し支えない。物理学のみならず、読書、読書、教養、著作などなどに関して湯川氏の真摯な姿が読み取れる。私も出来る限り参考にして切磋琢磨したいと思った。
もういつもの字数に近づいた。最後に本の裏表紙に書かれていた宣伝文をさらなる参考に供するため、転記し、この記事の終わりとしたい。
「わが国初のノーベル賞に輝く湯川博士生涯の記念碑的作品。本書は現代物理学の物質観を、そして同時に、今日の自然科学的なものの見方・考え方を、だれにもわかる平易な言葉で説いている。「目にみえないものの世界」への旅立ちを伝える諸篇には、深く豊かな知性が光り、「真実」を求めてのあくなき思索が生み出した珠玉の言葉には、ひとつの確かな思想がある。初版以来、学問に志す多くの若者たちの心をとらえ続けてきた名著である。」
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本書の性格 本格的な量子力学の話ではなく、どちらかというと物理学史、一番小さい物質は何かという問いかけについてインド哲学やギリシャ哲学がどう考えてきたかというテーマ、 ......more











































































































































































































