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進化しすぎた脳 中高生と語る[大脳生理学]の最前線 (ブル-バックス)
池谷 裕二 / / 講談社 スコア選択: ※※※※ 脳に関しては、昔からかなり興味がある。このブログでも今までに脳に関する多くの本を紹介してきた。この本の著者は私より、8歳も若い研究者だ。読んでいて分かるが、かなり優秀な研究者のようだ。 考えてみれば、私も40代の半ば、10歳前後年下の優秀な若い研究者が表舞台に出てきてもおかしくない。逆にどんどんそういった若者が出てきてほしいものである。 この本はサブタイトルに「中高生と語る[大脳生理学]の最前線」と書いてあるが、著者がアメリカ留学時に、(朝日出版社という)出版社からの提案で慶応義塾ニューヨーク学院高等部で行わった講義の記録である。希望者先着8名という少人数の生徒とあの間で、親密な対話形式で行った講義である。(第1章~第4章まで) 一度朝日出版社から出版された講義内容に、著者帰国後、著者が従事する東京大学大学院薬学系研究室のメンバーを相手に行った講義内容(第5章)を足したものである。 この本のタイトルは『進化しすぎた脳』とあるが、本の中でこう書かれてる。 「脳というのは進化に最小限必要な程度の進化を遂げたのではなく、過剰に進化してしまった、といえるのではないか。進化の教科書を読むと、環境に合わせて動物は進化してきた、と書いてあるけどこれはあくまで体の話。脳に関しては、環境に適応する以上に進化してしまっていて、それゆえに全能力は使いこなされていない、と僕は考えている。能力のリミッターは脳ではなく体である。 こうして脳は、一見すると無駄とさえ思えるほどに進化してしまっているけれど、でもそれは裏を返せば、将来いつか予期せぬ環境に出会ったときに、スムーズに対応できるための、一種の余裕だと考えることができる。新しい環境や、もしくは進化や突然変異などで体そのもの形が急に変化してしまっても、余裕をもった脳はこれをコントロールすることができる。」 なるほどそれで百年生きても、脳の能力のほんの一部しか使えていないのか、と納得。とはいえ私は古い日本人なのか。勿体無い気がしてならない。自分で特に賢いとは思わぬが、汲めども尽きぬ脳の能力ならば一層コツコツと使い続け、自分の可能性を死ぬまで追求したい。また生きている以上、脳など生命の神秘、宇宙の神秘などできるだけ多くの事を知りたいと思う。脳のキャパシティを考えれば、詰め込みすぎということは無いようだから。 この本は本当に面白い、例えば第2章の「人間は脳の解釈から逃げられない」ではこういう話が出てくる。「怖い」という感情が生み出されるのは、扁桃体という場所が活動するためだが、大脳生理学的には「怖い」感情が生まれて何かを回避させる行動をとるのではなく、扁桃体が活動するから避けるというべき。扁桃体破壊すれば「恐怖」は生まれない、と。 また第3章の「人間はあいまいな記憶しかもてない」では、記憶というのは性格では駄目で、曖昧であることが絶対必要。人間というものは、見たものをそのものを覚えるのではなくて、そこに共通している何かルールのようなものを無意識に選び出そうとする。一般化、専門的には「汎化」という。 見るとはものを歪める行為、一種の偏見であるという。何でそういうことが起こるかというと、世の中は三次元なのに網膜が二次元だからという。二次元の網膜に映ったものを、脳は強引に三次元に再解釈しなければいけない。これが脳の宿命だと。例えば網膜にあるニューロンは100万ほどで、デジカメの画素数100万が大したことがないように、それだけの情報だったら外界の風景は、ザラザラな風景になるはずだが、脳がなめらかに見えるよに補正しているという。 私たちは、ともすると記憶力をよくしたいと思うが、記憶が曖昧な方が応用という観点からはいいという。意外な話だが、下等な動物とかの方が記憶力がいいという。鳥などは物凄く記憶力がいいという。記憶が正確なだけに融通が利かないという。例えば完璧に記憶力の場合、昨日の私と今日の私が同じ人物と判断するにあたって、100%近く一緒でないとイケナイときたら駄目ときては出来ないことである。そこには汎化が必要だ。 意識とか心は、多くの場合、言葉によって生まれるが、意識や心は言葉によって作り上げられた抽象であり、意識や心は知らず知らずその脳による汎化の手助けをしている。言葉などによって抽象的な考えができればできるほど汎化が得意になる。汎化によってルールを知れば、新しい環境になっても応用が利く。人間が他の動物に比べて、著しく応用が高いのは、抽象的な思考ができるからだという。 言葉というものは、コミュニケーションの手段、つまり信号としてあるだけでなく、人間が抽象的な物事を考えるのに必要なツールだ。 またこんな面白い話もあった。第一次視覚野は視覚系以外からも様々な情報を受け取っているという。視床から大脳皮質に上がってくる情報は全体のせいぜい15%。また視床が網膜から受け取る情報は全シナプスのわずか20%程度。よって第一次視覚野が網膜から受け取っている情報は、15%×20%でわずか3%しかないという。残りの97%は脳の内部情報で、脳の大部分の情報はトップダウン方式に埋め込まれた情報だろうと著者は言う。 他にも色々面白い話が出てくる。勿論、情報の神経細胞における伝わり方も詳しく、かつ非常に分かり易く説明されている。同じく(少し分野が違うみたいたが)脳科学者である茂木健一郎さんがよく言われるクオリアという概念についても、池谷氏なりの把握・応用などの話が出てきて、比較してみると面白いかもと思った。 とにかくあまりにも沢山興味深い話が色々出てくるので、要約であろうが、とてもここでは書ききれない。 興味をもたれた方は、一読することをお薦めする。 ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2008-10-06 14:55
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