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ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者
ジョージ G.スピーロ 著/志摩 亜希子(監修), 永瀬 輝男(監修), 鍛原 多惠子(翻訳), 坂井 星之(翻訳), 松井 信彦(翻訳), 塩原 通緒(翻訳)/早川書房 スコア選択: ※※※※ 副題は上記ライフログにあるように「世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者」。この日本語訳だと謎を掛けたポアンカレと最終的に解いたペレルマンにほとんど焦点があたっている感じだ。原著の英語による副題は「 the Hundred-Year Quest to Solve One of Math's Greatest Puzzles 」となっており、この「百年もかけて解かれた数学上の偉大な難問の解決法の探索(直訳的で下手な訳だが)」の方が本の内容に合っている感じがする。 最終的にこの「ポアンカレの予想」が正しいと証明したのは、ロシア人のペレルマンだが、それまでにハミルトン他沢山の数学者が、ポアンカレ予想に対する部分的証明やその証明に有効な数学的手法の積み重ねこの1世紀に亘る謎は解かれたのである。そういう意味では今月初めに読んだ『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン著・新潮社)とよく似ている。あちらはフェルマーが定理をメモ書きしてから約300年かけて最終的にワイズマンによって解かれた。ワイズマンも多くの先人達の業績の上に解くことが出来たのだ。 ただし「フェルマーの最終定理」と「ポアンカレの予想」とでは大きく異なる点がある。「フェルマーの最終定理」の方は中学校くらいの数学課程を修了したものなら誰でもその定理を理解できるが、「ポアンカレの予想」の方はトポロジー(位相幾何学)に関するもので、私はトポロジーもまだよく理解できていない。よって「ポアンカレの予想」を正確に説明するなど尚更説明できない。 それでも恥を承知で書くと、トポロジーでは、コーヒーカップとドーナツは同一視される。頂点・辺・面・距離などは違いのうちに入らず、コーヒーカップを引っ張ったり、縮めたり、連続的に変化させるとドーナツの形に出来るといい、その連続的に変形できるものは「ホモトピー」と呼ばれ、コーヒーカップとドーナツは「同相(ホメオモルフィック、位相同型)」である、すなわちトポロジー的に同値であると言う。 トポロジーでは、私達の住む4次元時空のみでなく1次元から無限の多次元まで全て扱うようだ。またその考え方においては、ビーチボールなどは3次元空間に浮かぶ2次元球面という考え方で、そこに巻きつけられた輪ゴムは一次元ループとなる。逆にそこから私達の住む3次元空間は、実は4次元物体の表面と捉え、そこから4次元空間(4次元時空ではなく、新たな空間軸を考えた4次元空間)を考えようとしているようだ。 ポアンカレ予想とは、多次元物体、例えば3次元物体のある一点を考え、その多様体に一繋がりの大きなロープ(輪ゴムなど)をかけ、その一点に手繰り寄せ縮めることができたら、その3次元物体は、球形に変形できるというもの。これが一次元から多次元全てに当てはまるというのが彼の予想であると。(多分誤解あり・不正確な記述だがお許し願いたい) この本の中でも、4次元以上の高次元空間に関する説明が出てきて、3次元から類推してイメージさせる箇所がかなりある。しかし私のような凡人には困難である。伸ばすとか捩(ね)じるとか、また外科手術のように切ったり貼ったり色々な手段が用いられる。ある面を線分や曲線に沿って伸ばす・…などと書かれていると、一応想像してみるがイメージが追いつかない。でも一般向けの本であるし、そこまで要求していないだろう。落ち込むことはないと思う。 この本は、ポアンカレ予想という難問に約百年の間、いかに多くの数学者たちが取り組んだか、この問題を中心に現代幾何学がどのように発展してきたか、を描いたドキュメンタリーであり、その解決の途上で出されてきたアイデアや方法などの数学的理解は出来なくとも、雰囲気を味わうことで努力する天才達の姿に感動できるようになっており、非常にいい作品となっています。 読むのに困難な部分もありますが、頑張って最後まで読めばきっと得るものがあるはずです。 人間像という点では、ペレルマンという人物も非常にユニークである。あれだけ偉大な数学上の業績を残しながら、数学界最高の賞フィールズ賞も辞退、名誉や評価を求めず、金にも動かされる気配もない。清貧で非常に高潔な態度で一貫しており、優先権争いに巻き込まれることなどを忌み嫌う。尊敬すべき人物である。 これに対して、この本の巻末近くに出てくる中国人の数学者3人は対照的で、いかにも強(した)かな中国人らしい。 ヤウという数学者が、弟子の2人、ツァオとチュウに、インターネット上で公開されたペレルマンの3つの論文を研究させる。 ペレルマンの論文が必要最低限の簡潔な内容で理解しにくいのをいいことに、中国人の数学者達は、ポアンカレ予想を自分らが最終的に証明したかのような発表をする。ハミルトン=ポアンカレー理論はポアンカレ予想の証明の基本的なガイダンスは書かれているが最終的な証明をしたのは自分達だ、というような内容をだ。 そのためペレルマンの論文を査読していた数学者たちや世界の数学者が、彼らを批判すると、逆に名誉毀損だと訴えでる。 しかしある数学者が、ツァオらの論文の中に彼らが貶(けな)した査読者らの(ペレルマンの論文)解説まで剽窃し引用してある事を指摘すると、その事を意図的で無いと弁明。また一転して態度を変え、自分らが予想の証明をしたかのような主張などを改め、ポアンカレ予想の証明は全面的にハミルトンとペレルマンにあるなどと論文を訂正書き換える。 読んでいてあまりの白々しさに呆れてしまう。本当にお笑い草だ。 まあとにかくドキュメンタリーだけに様々な人間像も描かれ、面白い。理解し難い点も多々あるが、個々の人がイメージできる程度でいいのではないか。比喩も非常に上手い。わからないと思うのでなく、前向きに比喩を楽しめば、文科系の人でも十分堪能できる本です。 是非とも多くの人にお薦めしたい一冊です。特に高校生など若い人にはこういう本を積極的に読んでほしいと思う。 ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2008-03-26 00:29
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