by une_genzaburo
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フランス革命と農民 (1956年) ジョルジュ・ルフェーブル著/柴田三千雄訳/ 未来社(社会科学ゼミナール) ISBN : B000JB00D2 スコア選択: ※※※※ 今回も西洋史関係の本の紹介である。著者は、前回の記事の中で紹介したアナール学派の歴史家・ジョルジュ・ルフェーブルである。1932年に行われた講演を本にしたもので、翻訳され日本で出版されたのも1952年と非常に古い本である(それだけにちょっと手に入れにくいかもしれない。入手困難な場合、インターネットのブック販売など利用される事をお薦めする)。 私は実はフランス革命に一時期かなりハマッていた。ナポレオン狂ならぬフランス革命狂とでも言えようか、色々な関連本を読むのに熱中していた。それは学生時代ではなく、卒業後会社に入ってからである。熱中しだしたのは、あと数年でフランス革命200周年ということで、色々なフランス革命関連本が書店の棚を飾っていた。私も勿論そんな流行を受けて、徐々にハマッていったのであった。そういう事で我家には今でもその関連の本も多い。読了した本もあれば、一部分だけしか読んでいない本もある。 今回紹介する本は、一度最後まで読んだらしい形跡はあるが、あまり覚えていなかったのでもう一度読んでみた本である。 フランス革命についててだが、私の中における地位は、日本における幕末明治維新と同じくらいのものだ。 日本の歴史における最も大きな転換の一時期として、誰もが幕末明治維新をあげるように、私はフランス革命は単にフランスにおける大きな歴史的転換のみならず、ヨーロッパ全体の大きな転換の契機となったと思うのである。 フランス革命は、1789年7月14日のバスチーユの牢獄の襲撃前後の短期間だけでなく、いくつもの革命が複合し、何次にもわたって革命が起き、少なくとも半世紀以上影響を引き摺り周辺諸国にその絶大な影響を与えた。そういう意味でも錯綜した勢力による複雑で長期にわたる革命的時期であった幕末明治維新と比較すると色々と面白いと思うのである。両者似ている点もあるし、異なる点も多い。異なる点がやはり多いといっても、日本の歴史だけ勉強するのではなく、西欧の歴史も見ることによって得るところも多いと思う。日本人の国際化への脱皮が求められる中、指導者はこうした考察による知識は必須条件となる日も、そう遠くないのではなかろうか。 前置きが長くなった。本題の本の紹介に入ろう。 私は現在のフランス革命研究の最近の動向などは知らない。この本は最初にも書いたが、1930年代に記されたものであり、その当時においては非常に斬新な視点で、それまでの歴史家とはかなり異なるフランス革命の評価の仕方をしている。でもその後このアナール派の農民の動向を重視する動きは、かなり定着し今ではこの意見はかなり広範に認められているといっていいのではなかろうか。最近の動向は知らないが、今後新たに勉強して大分異なる成果があるようならまたこのブログなどで紹介してもよい。 著者のルフェーブルが、この本を書いた動機は、フランス革命で、農民が重要な位置を占めていない事を改め正しい位置につけ、フランス文明の基本的特質を明らかにしようという事からであった。 フランス革命は、ブルジョワジーを世界の支配者たらしめた長期にわたる経済・社会的張っての到達点という意義は認めながらも、それまでの歴史家たちがブルジョワジーの発生や発展が、動産的富の出現や増大によることを見逃さす指摘してきたが、社会的な動きの経済的原因という点にほとんど注意を払わなかった。 それに対してルフェーブルは、それを最初に行ったマルクス主義なども、その唯物史観的強引な見方も修正すべきものとして扱い、アナール学派的な独自の考察を展開している。 フランス革命の直接的契機は、三部会の招集問題にあった事は事実だ。ただよく誤解されるのは、これを召集する事を求めたのは三部会の最下級の平民身分のものではなく、貴族や聖職者という特権身分であり、王権が彼らに課そうとした犠牲を拒否し、国王の意思を諦めさせようとして1879年5月5日に三部会を開いたのがのがその直接的責任であった。したがって革命を開始したのは、特権身分、貴族らであり、貴族革命として開始された。 しかし会議を開いてみたら、貴族の思惑は外れた。力を持ち始めていたブルジョワジーの代表も(その頃富裕ブルジョワジーは貴族らの特権階級に紛れこむように存在していたから)、貴族に味方するであろうと思ったが、逆に富裕ブルジョワジーから自由な経済活動の障害となっていた封建制の撤廃を要求され、貴族らはあわてて三部会を解散すると、ブルジョワジーなど第3身分議員が彼らだけで憲法制定国民議会を開き、6月20日憲法制定まで議会を解散しない事を誓うあの有名なテニスコートの誓いを行うわけである。(詳細になり過ぎた、以下経緯は端折りたい) この一月ほど後にあのバスチーユ牢獄襲撃事件が起こるわけだが、これに前後して起こった農村一揆などの農民運動が、(この本が書かれた以前の)従来ではあたかも、ブルジョワジーの呼びかけに応じて起こった運動、すなわち市民暴動の反射、特に7月14日の事件の反射のように述べられ、これら農民運動も、もっぱら封建制と王権とに対抗して導かれたものと述べられてきたが、著者はそれは間違いだというのだ。 また農村は、この革命の成果でもある、封建制の売却と国有財産の売却を喜んだかのように述べる記述がほとんどで、村落の動向はフランス革命に同質的なものとして、そこに第3身分の革命しか認めまいとした。その後の第3身分の分解を叙述しながらも、その分解が農村でも都市でも同じ条件で行われて同じ結果に帰し、富農とブルジョワ、日雇いは都市手工業者と同じ共通利害をもったと考えられきたが、著者はこの辺も間違いだと述べている。 著者は農村での革命は、その発生・進行・危機、傾向の点で独自な自立性を備えたものであるという。都市のブルジョワジーの革命運動が資本主義的傾向を帯びていたのに対して、農民による大恐慌(グランド・プール)などに見られる農村での運動は、特に自立的であったのは反資本主義的な傾向を帯びていたという。 なぜなら中小以下の農民は、ブルジョワジーなどが求めた土地改革(国有財産の売却と共同地の分配による土地所有者の増加や共同体的諸権利の制限と耕作・商業の自由の宣言による所有権の拡大)など封建的制度に反対した訳ではない。むしろ封建的諸権利と規制、すなわち前資本主義的な経済的社会的様式にしがみついていたから。農業の資本主義的進化が彼らの存在状態を悪化させるから抵抗したのだった。非常に保守的な考えから行動したものだったという。 こう書くとブルジョワジーの利害と対立し影響しあいながら同時進行したかのように思えることと矛盾するように思われるが、まさにそうなのである(一部富農層等はブルジョワジーと利害を同じくしていたが)。フランス革命の中における農民革命は、都市の動きとは別に、パリの暴動より少しし前から起き、その後も先に述べたグランド・プールなどのような運動となって体制に大きな影響を与えている。 原因はすでに半世紀ほど前から徐々にアンシャン・レジーム(旧体制)が、農民がしがみついていた封建的諸権利と規制を廃止していき、請負制などによる支配に替えたりして(→請負者による苛斂誅求)、農業資本主義の進行して農民を苦しめたことだ。彼ら農民は、変貌しはじめたアンシャン・レジームが奪い始めた共同体的諸権利を奪還するため、アンシャン・レジームが宣言した穀物商業の自由を廃止するため、また特権者層だけでなく、富農やブルジョワに報復するために蜂起したのであった。 だから農民の革命は、ブルジョワの革命と軌を一にした革命では勿論違うし、影響を受けて起した革命でもない。自立的で反資本主義的傾向を帯びた革命だというのだ。 封建的諸特権等等、このような専門的な用語では勿論分り易く説明できないのは承知だ。用語の具体的中身を説明したり、初期の革命からこの農民革命がどのように展開していき、どういう状況を現出させたかを一々説明していては、とてもこのブログの記事としては不適となってしまうのでこれ以上は述べない。興味をいだいた人は後は本を読んでほしいと思う。 フランス革命の場合、階級も、たとえば第3身分の農民や市民を、利害が同じ1つのまとまりとして農民、また市民としてみたら、この革命の動きを見誤るという事がこの本を読んでいるとよくわかる。 外国の歴史をこのように詳しく見ていく必要はないなどとは考えないでほしい。折角詳しく著者が分析しているのだから、そこからフランス革命の特徴、イギリス、ドイツ、その他の国々との違い(フランス的特殊性)も認識し、自分の視野を拡げ歴史観を育てていくのが大切だと思う。 ところで、この本には、表題の「フランス革命と農民」以外に、もう一つだけ著者の論文「ロベスピエールの政治思想について」が収められている。ロベスピエールといえば急進共和主義者として有名で、ジャコバン党の指導者時代、国王を処刑したり、ジロンド党を追放したり、独裁政治も行い怖いイメージがああるかもしれないが、私は結構好きである。彼が革命の中で闘争し実現しようとしたことは、当時は急進的過ぎたかもしれないが、現代から見れば人間として当然の要求のよなものが多い。時代がまだそこまで熟していないので、失敗した人物といえるかもしれない。この論文はそんな彼についての短い論文であるが、興味深い内容となっている。 ぜひこちらも読んでほしいと思う。 どれだけ正確に、この本を紹介しえたか、あまり自信は無い。大体の内容が想像されれば良しとしたい。たとえ正確に伝わっても、まあ西洋史の専門書なので、この記事を読んだ皆さん全てにお薦めするのは無理だろう。 この下手糞な紹介文で、多少なりともフランス革命などに興味を抱いて頂けたら幸いとしたい。 ここまで読んで評価してくださる方は、できれば下のバナーをクリック↓してくださると有り難いです! ←ランキングに参加しています!
by une_genzaburo
| 2007-11-18 22:57
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