今回の作品名は
『重蔵始末(三)猿曳遁兵衛』(逢坂剛著・講談社)
詳しくは、↑上の青文字をクリックすれば、私が書いた本の紹介文の頁を見ることができます(ここの記事より詳しいです)
主人公の重蔵とは、北方探検家として有名な近藤重蔵のこと。辞書によると、
【近藤重蔵】(こんどうじゅうぞう)(1771-1829)
江戸後期の幕臣。北方探検家。名は守重。寛政一〇年(一七九八)松前蝦夷地御用役として、ロシアの南下に対抗して北蝦夷(サハリン)・千島列島へ数次にわたる探検を重ね、択捉(えとろふ)に「大日本恵土呂府」の木標を建てた。のち、書物奉行。著「辺要分界図考」「宝貨通考」など。 ..
私は、逢坂剛さんのこのシリーズは、これを含めて三作とも読んでいる。逆にいうと、逢坂さんのこれ以外の作品は知らないが、なかなかのストーリーテーラーのような気がする。また近藤重蔵が、火付盗賊改めをしていた若き日を舞台に描くというのも、なかなか目のつけどろがいい、という感じもする。
小説は、後の探検時代と全く関係ないのかというと、北方の緊張状態、例えばラックスマンがオロシヤ幸太夫を連れて根室へやってきた事件や、砲術の練習の話が、事件とは直接関係ないが、途中さりげなく描かれたり、また松平定信の失脚の話、長谷川平蔵が同時期同じく火付盗賊改め本役をやっていたなどという当時の状況も描かれ、時代を感じさせてくれる小説ともなっている。
とにかく、興味のある方方は、一読をお薦めしする。
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