最近、天候がよくない日が続いているが、我が家の商売の方も、どうも雨天続きのような調子で、芳しくない。雨の日はほんとうにガタンと仕事が減る感じがする。
そんな訳で、しょっちゅうできる暇を利用して、椅子に腰掛けては、本を読んでいる。
今日は
『偉大な、アマチュア科学者たち』(ジョン・マローン著・石原薫訳・山田五郎監修・主婦の友社)という本を先ほど読了した。山田五郎とは、あのテレビによく出る人と同じなのだろうか。よくわからない。
私は、科学雑誌のようなものを、読むのが結構好きである。といっても自分で買うことは少なく、ほとんどは図書館でだが。
それでニュートンなどを置いてある中能登町の鹿島図書館へ休みの日など行って、よくそれらの本・雑誌を読んだりする。この本も実は、鹿島図書館から借りてきた本である。
この本で言っている「アマチュア」とは、山田五郎氏が、監修者あとがきで述べているように、「その仕事で生計を立てていない人ではなく、その分野に関する専門教育を受けていない人を意味している。」
この本で、「必要とされる学歴や資格を持たず、組織の伝統や権威に頼ることができない人。そのような人がプロもなしえなかった偉大な功績を残してきた事実を知って、誰もが驚くだろう。だが、読み進むにつれ、そこには実は何の不思議もなかったことに気づくはずだ。」
まさに上のコメント通りの本です。これから何か勉強してやろうという人には、励みになる本である。でも考えてみれば、日本の発展は、結構この本でいるアマチュアの人々が作ってきたのではないだろうか。
大企業だろうが、中小の企業だろうが、多くの技術の発明・改良のかなりの割合が、この本でいるアマチュアの業績と思われる。だから世の中で一人前になるかどうかは、結局は、仕事をやるに当たって、やる気があるかどうかの問題だけということなのだろう。
以下、この本でとり上げられているアマチュア科学者を参考に列挙する。
1.
グレゴール・ヨハン・メンデル(修道士でありながら遺伝学の父)
2.
デイビット・H・レビー(シューメーカー・レビー彗星の発見で有名になった彗星ハンター)
3.
ヘンリエッタ・スワン・リービット(セファイド変光星を星の距離の指標とすることに成功した女性)
4.
ジョゼフ・プリーストリ(酸素の発見者)
5.
マイケル・ファラデー(ご存知電磁法則の生みの親)
6.
グロート・リーバー(電波天文学の父)
7.
アーサー・C・クラーク(通信衛星の発明者。私は、少年の頃SF作家として好きでした)
8.
トーマス・ジェファーソン(近代考古学の先駆者。もちろん、アメリカ独立宣言の起草者。考古学のほかにも、動物学、植物学、天文学、物理学、力学、土木工学、航空学・・・・・と非常に多くの科学の知識を身に着けていたようです)
9.
スーザン・ヘンドリクソン(Tレックスのほぼ完全な化石を発掘した女性恐竜ハンター)
10.
フェリックス・デレル(バクテリオ・ファージの発見者)
世の中には多芸多才な人物とはいるものだ。ここに出てきたトマス・ジェファーソンなどの意外な姿にも驚かされたが、同時代に彼と親しかったベンジャミン・フランクリンが、雷の実験をはじめとした科学的知識を持っていたことも有名だ。これまたほぼ同じ時代のフランスのジャン・ジャック・ルソーなども、音楽の才能があって、皆さんよくご存知の曲を作曲していたという話などもあります。この本では、ある方面での有名人になった人の、意外な側面のような話も、色々出てきて、ほんとうに面白い本でした。
皆さんにも、ぜひお勧めしたい一冊です。