今朝早朝に
『スケッチブックをもって旅に出よう―はじめての水彩風景画―』(奥津国道著・講談社)を読了した。
本のタイトルが気に入ったので、ここのブログのタイトルにもしてみた。またそれだけに、図書館でこれを見つけた時、すぐひきつけられて、ろくに中身も見ずに借りてきてしまった。でも読んでみて、非常に参考になったいい本であった。
下に
「源さんの書評」にも書いた文章を転載しておく。
「著者というか画家は、もと『平凡パンチ』や『週間平凡』のアートディレクターなどもしていたことがある人のようだ。昔は、そいう意味ではデザイナーだったようだが、途中で画家に変更したようだ。奥津国道という変わった名だが、「国道」は名前だから「くにみち」と読むそうだ。
私は、実は時々、仕事先や暇な時、ちょっとしたメモ用紙などに、スケッチ(時には色鉛筆を使って簡単な彩色風景画も)したりする。叔父で水彩画や水墨画を描いている人もいる。父も一時は、金沢の美大にいたことがあるが、戦後間近の厳しい時代で、絵などのんびりと画いておられず、家業を継いだ経緯がある。そんな血をひいているせいか、私も絵を画くのは好きな方である。
この本は190頁ほどで、他の美術のノウハウ本とは違い、あまり実際の絵は副えられていないが、固形透明絵の具による絵の描き方などをこなれた文章で非常にうまく説明しているように思う。実のところ、私は今までに使ったことがあるのは、チューブ入りの不透明絵の具しかないが、読んでいるだけで、そのコツがわかったような感じがするくらいだ。
私が学生の頃(小・中・高を通して)、学校の美術の時間に、絵の描き方のコツなどを教わった記憶はあまりない。それだけに今までのスケッチなどは自己流だ。これを読んでみて、言われてみればこの描き方の方がいいなあ、と思う説明も随所にあった。
不透明絵の具または油絵の具と、透明絵の具の特徴の違い、そしてそのことによる描き方の違いなど、読んでいて色々教わった。主題(モチーフ)探しのコツも参考になった。
またこの本の最後の方には、旅は絵心を誘うとして、その楽しさを十分表現しているが、本の全体にわたって、旅に出て絵を描くことで色々な出会いが得られ、普通の観光旅行では得られないような経験を味わえることを非常に上手く説明したとてもいい本だった。
この本は、中能登町の鹿島図書館から借りてきたものだが、今度自分でも購入しようとも思っている。目次を読んだだけでもかなり参考になるので、今のところは目次をコピーして、他にも気付いた注意事項を添え書きしておこうと考えている。
下手でもいいから旅先の各地で気に入った風景を、自分で描いて楽しんでみたいという人には、うってつけの本です。お薦めの一冊です。 」