『妻はくノ一』の1巻から10巻は既に読んでいたが、その後、新たに蛇之巻が連載されていたとは最近まで気づかなかった。 1巻から10巻までの話は、今年NHKでテレビ化され放送されたが、私はテレビ化される前に読んでいる。
逆にテレビ化されたものは実は全くみていない(1日テレビを観るのはニュースなど1時間から30分程度である)。
ただし雙星雁二郎の犬のぷるぷるの踊りは、ちょっと見てみたい気もする。
蛇之巻以前のシリーズでは、最終第10巻の終わりで、やっと再会できた雙星彦馬と織江は、船で外国へ旅立つところで終わっている。(経緯など知りたい方は、このブログに1巻から10巻までの全ての巻の紹介文が載っているからそれをみてほしい)
この蛇之巻では、アメリカに渡った彦馬と織江が、今度は、リンカーン大統領の暗殺を企む一味からリンカーンを守るために、ピンカートン探偵社の者たちと一緒に旅をする話となっている(アメリカはこの頃、南北戦争の頃)。
1巻から10巻では語られなかった話として、織江が、長州忍者隊と戦った話も色々語られる。日本にいるとき決着をつけられなかった織江にとって「一番嫌な敵」長州忍者隊の鬼頭蛇文が、その後咸臨丸の機関師として潜り込みアメリカへやってきて、蛇文がリンカーンの暗殺者の一味として加わり行動しているというのだ。
蛇文はどうも織江に執着をもち、アメリカに渡ってきたのだった。
織江はこの気味の悪い相手と戦うことを嫌ったが、彦馬が、向こうから襲ってくる前に、こちらから出向いて戦った方が良いという話になり、リンカーンを護衛する役を請け負っていたピンカートン探偵社の一向に同行して旅に出る・・・・
日本国内での、長州忍者隊との戦いでは、蛇文以外にも、個性あふれるケレン味たっぷりの忍者が登場したりして、今回も忍者小説として十分楽しめる作品となっている。
また雙星雁二郎は、こちらの蛇之巻でも登場し、犬のぷるぷるは女性受けしないので、新たに猫のぷるぷるを考案し、織江に見せる場面などもある。これもちょっと見てみたい。
ただし個人的には『妻は、くノ一』の1巻〜10巻または、このシリーズの姉妹作品『姫は、三十一』の方が面白かったと思う。
それでもこの蛇之巻は、『妻は、くノ一』を読んだ人たちには、必読であろう。
今回は3冊まとめてこれくらいの紹介文で終えたい。
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