by une_genzaburo
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<百字紹介文> 島国ながら海洋小説の少ない日本にあって海に関わる小説を多く著してきた白石一郎氏。この本も、7つの島にまつわる歴史と風土、そして心温まる人々の生き様を活写し、佳品揃いの短編集となっている。お薦めの一冊! <詳しい紹介文> 7つの島にまつわる物語(短編集)である。 第1話「江戸山狼」 安永7年、佐渡金山の水替人足として送られてくることになる「江戸山狼」と役人が呼ぶ流人達に対処するため、彼らを監視する者も、金山で働いている者の中から、逞しく面構えも立派な男を選ぶことになった。 勇作は、流人ではなく地元佐渡出身で、貧しく食い詰めをしのぐために金山で働いていた。根は優しい性格だが体格は立派。その上、以前落盤事故で負った顔中の傷が、荒くれどもをも恐れさすいい面構えだと役人に判断され、監視役の責任者に選ばれてしまう。・・・・ 第2話「鳥もかよわぬ」 宇喜多秀家は、関ヶ原の戦いで、西軍の総大将となり、奮闘するが、小早川秀秋などの裏切りで破れてしまう。彼の奥さんは、前田利家の4女で後に秀吉の養女となり秀家に嫁いだ豪姫である。関ヶ原合戦後、西軍の武将が次々と捕らえられ処罰されていく中、上手く逃亡した秀家は、いつまでも見つからず、やがて家康も死んだものとして忘れてしまう。 実は彼は、宇喜多家と繋がりの深い豪商がしばらく船に乗せて匿われ、さらに薩摩藩に行き匿ってもらっていたのだ。慶長7年、徳川家と薩摩藩が和議を結ぶと、島津家は徳川家に秀家を匿っていた事を告げる。・・・ この話では、秀家の次男の乳母・阿井の目から見た秀家、秀家の母・円融院、豪姫など歴史上の人物が描いており、ちょっと今までと違ったイメージも持ち得て面白かったと思う。 第3話「三年奉公」 五島藩には、第27代藩主が決めた三年奉公なる‘意義ある美風’の制度があったという。五島藩は以前、大風や干魃で年貢は乏しく莫大な借金に喘いでいた。武家は俸禄を返上し質素倹約を耐えていた。が武士だけが耐えてるのはおかしい、危急の時は君臣一体となり苦楽を共にすべきだという声を受け、始まったのが三年奉公。 それは長女を除く次女以下の娘は、十六歳になると福江城下の武家屋敷で3年間働き、礼儀作法を身につけ、年季明けには無事家に戻って結婚しても良いという制度。 実際には、手篭めにされたりして‘美風’どころか悪しき風で、領民から嫌われていた制度だったようだ。この物語は、その制度に抵抗し、他領地に逃れようとした娘を、武家を嫌う男二人が何とか彼女を手助けしようと協力する話である。 第4話「金印」 志賀島で見つかった金印の話。甚兵衛という農民が掘り出した金印が、その価値を調べるために幾人かの手を経て、亀井南冥という福岡藩西学問所の教授に渡る。南冥は後漢書魏志倭人伝の記述に出てくる金印に違いないと判定、学問所の学生らにも、凄い品が発見されたとその事を吹聴し大騒ぎとなる。 南冥には学問上の敵も多く、そのため彼の解釈に異を唱える者や、金印偽物説なども出て鋳潰せと言うものも現れたりして・・・ 発見当時、この日本史上の貴重な遺産が消される可能性などもあったと知って、興味深く読ませてもらった。 第5話「悪童」 伯方島の悪童・駒吉が、彼が従える仲間のいたずらで、庄屋の娘を溺れさせ、生死の境をさまよう状態に陥らせる。彼の父親は怒り、彼を伯方島の沖合の無人島・能島に連れて行き置き去りにする。 能島は以前は水軍の根拠地のあった島だが、江戸時代のその頃は石垣などだけが一部残る無人島。 駒吉は、仕方なくそこで眠るが、突如彼は法螺貝の音で目を覚ます。 気がつけば周囲の景色は一変し、水軍の武者どもが、通行税を払わぬ船を見つけて群がり寄せようとするところであった・・・・ 第6話「倭館」 対馬藩が朝鮮半島の釜山浦に設けている倭館を舞台とした話。全島の1割しか平地を持たぬ対馬は、交易など不要という朝鮮半島に頭を低くして交易し、全島民を養う資金を稼ぐ必要があった。 対馬藩士の伊丹小弥太は、その任を担うため朝鮮へ赴任するが、そこには数年前から親友の吉十郎が赴任しており、小弥太も彼と仕事をすることになる。しかし吉十郎が行っている裏の行動を小弥太が知るにつれその行動に危惧を抱くが・・・・。 第7話「入墨」 9月半ばのある日、隠岐島の西の島に、佐渡島の金山で働いていた元流人・亀次郎と、それに彼と一緒に島を出た元娼婦お町の2名を乗せた端舟(はしけ)が流れ着いた。 見つけたのは隠岐島に島流しとなっていた音吉。腕の入墨を見つけられた亀次郎は、島抜けではないと言うが、佐渡に確認する必要があった。 今は船を出せるような時期ではなく、亀次郎は音吉が引き取り、お町は庄屋が引き取った。普段から禄なものを食べていない音吉だっただけに、養う必要のある男の引取りは大きな負担だったが、話相手も増え、亀治郎から色々聞いたり話したりするうちに音吉の心に、ある考えが芽生える。・・・・ 島国でありながら海を舞台にした小説が少ない日本にあって、比較的海を舞台にした小説が多い白石一郎氏であった。 何年か前に亡くなったが、私が好きな作家の一人であり、もっと多くの作品を書いてほしかった惜しい人である。 この短編集も、各話はコンパクトながらも、色々な状況にある孤島に生きる人々の生き様を活写した飽きない佳品揃いで、一気に楽しく読めた。 お薦めの一冊である。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2013-06-19 22:02
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