by une_genzaburo
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<百字紹介文> WWⅡの日本の陸戦は硫黄島等の一部の戦いを除き評価されること稀だが、これを読むと圧倒的物量で迫る連合軍に、個々の日本兵は驚異的な力を発揮し奮戦した事が分かる。今日日本人が勇気を得る為にもお薦めの一冊! <詳しい紹介文> (この記事は、書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」から頂いた献本をもとに書いています) この作品は、昭和17年(1942)7月からニューギニアで始まった日本軍による「ポートモレスビーの行楽作戦」(正式名称はMO作戦)に関して、聞き取り証言などを行った結果をもとに詳細な経緯が記されたノンフィクションである。 もともとは映画のために集められたドキュメントであった。 オーストラリア側で(日本蔑視の)偏見でもって語られることが多かった『ココダ街道の戦い』(上記の戦いの連合国側の呼称)を、映画作りも未経験なオーストラリアの若手達が、公正に描いた映像ドキュメントを作りたいと考えた。 それで彼らは、ニューギニア戦史の専門家でもあった(日本人サイドの著者)丸谷元人らにも協力を呼びかけた。丸谷氏は当初、その戦争に参加した日本側の元兵士の生存者への取材などを担当した。オーストラリア側でも同様に取材を行い映像ドキュメントが集められた。 スタッフの情熱で数年をかけ資料はまとめられたが、カメラや編集機材の使い方さえろくに知らない素人集団であった。再現映像の撮影を行いたいが、素人には無理である。しかしオーストラリアの「フォックステレビ」がこの作品に興味を持ち、再現映像にかかる経費と広告宣伝費を全額負担することになった。 このようにして4年がかりで出来た映画は、素人が出演し、セットや衣装なども安上がりで制作された。オーストラリア人の日本人への偏見も多いのでその辺を危惧しただが、結果は、オーストラリアで高い評価を得て、豪州の映画祭で最優秀作品賞まで獲得することとなった。 その後、関係者の間で、折角苦労して集めた膨大な資料をドキュメント映画だけで終わらせるのはもったいないと考え、詳細な経緯を記した本にすることが考えられ、できたのが本書である。 あらすじも紹介しよう。 この戦いは地獄のような戦いだったようだ。日本軍のみならずオーストラリア軍・アメリカ軍も多大な犠牲を出したようだ。 真珠湾攻撃が始まったと同時に、中国から東南アジアにかけても戦いが始まったが、その日本の攻勢で、フィリピンにいたダグラス・マッカーサー将軍が敗走し、オーストラリアに逃れた。 MO作戦は、ダグラス・マッカーサー指揮の米国の勢力を封じ込めるのが狙いであった。日本は、ニューギニア北方のニューブリテン島のラバウルに上陸。ここを拠点として周辺島嶼を占領。さらにはニューギニアの北部海岸から首都のポートモレスビーを目指して南下し首都を占領することを企図し、それによりアメリカのマッカーサー動きを封じ込めようとした。 ニューギニア東部の北部海岸のゴナやブナに上陸すると、そこからほぼ真南にある首都を目指して、進軍する。日本軍の主力は大本営直轄の精鋭部隊・南海支隊。広島県福山の歩兵第41連隊や高知の歩兵第144連隊、他に海軍の特別陸戦隊などが参加した。 日本軍は、困難な戦いに多大の犠牲を払いながらも、首都ポート・モレスビーが見える地点まで到達。ただしこの南下の軍と連携をとるはずだった、ニューギニア東端のミルン湾からも上陸した軍は、失敗する。 ラバウルの司令部は首都目前にしたに日本軍に対して、島を東西に走るスタンレー山脈の頂上付近まで戻ることを命令する。ミッドウェー海戦での敗北、このニューギニア戦線と同時進展中のガダルカナルの戦いも大きく影響していた。 攻勢の時は、犠牲が出ても果敢に行動できた日本軍だが、転進が決まり、同じ来た道を戻るとなると守勢となる。大崩れとならぬよう後方を守りつつ撤退していく。 また北部海岸などに駐留していた日本軍に対しても、オーストラリア・アメリカの軍隊は攻撃をしかける。 日本軍は、マラリアなど熱帯病がはびこる中、猛暑や土砂降りの雨など日本人には過酷な自然や飢え等とも戦うという困難な状況のもと、圧倒的な物量で迫る米豪連合軍を相手に、驚異ともいえる守戦を行い、徹底的に苦しめた。 終わってみれば、生還率数%という地獄のような戦いだった。 このスタンレー山脈からココダ街道からブナ・ゴナまでの全ての死闘を証言などをもとに詳細に描いている。 あまりにも詳細に描いているので、最初は読んでいてもなかなか頭に入ってこなかった。慣れてきてやっとペースが早まったが結局読書に5日間ほどかかった。 証言などをもとに、捕虜殺害らしき話なども包み隠さず出てくる。しかしこの本は公平な態度で、そういう事は日本に限らず、双方に多かれ少なかれあったことだと論評。また餓えに耐え切れず兵士が人肉を食って凌いだ話も数箇所で出てくる。こういう真摯な姿勢が受け入れられたのであろう。こういう事柄に対して今までありがちだった偏見に満ちた批判は出てこなかったようだ。 巻末でこの戦いに参加した日本軍の生存者が、戦後遺骨収集活動を始めた話しや、数十年ぶりに現地を訪れ、上官の頭蓋骨を前に泣き崩れる話の箇所は、私も目頭が熱くなった。 私は日本の戦後の繁栄は、やはりこういう人々の犠牲の上にあるのだと思う。 今日本は、数々の未曾有の困難を前にもがき苦しみ低迷中であるが、それを乗り越える鍵は、例えばこのニューギニアで戦った彼らの困難を振り返り、勇気を振り絞る必要ことではなかろうか。 多くの日本人に読んでもらいたい一冊である。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-11-21 14:51
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