by une_genzaburo
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<百字紹介文> 西南戦争後、不換紙幣の大量発行による大インフレで日本は経済危機に陥る。松方正義大蔵卿は不換紙幣の回収と日本銀行の創設を行い、一時的に不況を創出するも怨嗟の声に耐えて不況を克服。彼の生涯を描く伝記小説。 <詳しい紹介文> 渡辺房男氏の本は、『儲けすぎた男 小説・安田善次郎』に次いで2冊目である。 今回の本と前回読んだこの2冊は、渡辺氏の明治経済小説の三部作だそうで、もう1冊最初に書かれた『円を創った男 小説・大隈重信』だそうだ。そちらの方も機会があれば読んでみたい。 ただ、悪文でもなく、本の内容自体も結構興味あるものなのだが、どうも私には読み進めにくい本であった。たまにこういう本がある。個人的な相性のような話なので、この話はこれだけにしておく。 ところで正直に言うと私は、松方正義という人物を、名前は知っていたが、この本を読むまで殆どどういう人物か知らなかった。この本のタイトルを読んで、松方という男が、日本銀行を創ったと知った。 私は高校時代、理系クラスにいたので、世界史は選択したが、日本史は選択していない。 高校で履修した社会教科は世界史の他は、倫理社会、政治経済、地理Aである。 従って日本史に関して、歴史小説や歴史書などでよく読む時代等は、結構詳しいのだが、詳しくは知らない、いわばアナの時代も多い。 さて松方正義だが、薩摩藩出身の人物。若い頃は大久保利通などと、岩倉具視などを通しての宮中工作も行っていた人物のようだ。 粗筋をいつものように書く。 松方自身は、維新後すぐに中央に迎えられるかと思っていたが、戊辰の役後は一旦、九州の日田県知事になり、明治3年になってようやく大蔵省出仕となった。現代の私らから見れば、それでも早いような気がするが、本人は当時、同格程度と思っている人間に先を越されたように思ったようだ。 地方自治を経験した松方は、財務にも詳しくなる。大蔵省でも大蔵卿(今でいえば財務大臣)の次の位の大蔵大輔となり、時には大隈大蔵卿より財務能力を見せ、大久保利通も彼に期待したようだ。 明治初期、太政官札や明治通宝札などの不換紙幣が多く出回っていた。松方は、西南戦争が、数年先に予想された時、不換紙幣の大量増刷発行を反対したが、軍部の要請で仕方なく要求を飲む。 その後も全国の国立銀行に不換紙幣の発行を許したことから、大量に紙幣が出回り、価値が急落していく。同時にインフレーションが起こり、庶民は米などが買えない状況となった。 松方は、この状況を打開するには、全国に出回っている不換紙幣を回収し除去し、通貨を銀行の銀行である中央銀行一行のみが発行できるようにし、通貨流通量を管理できるようにしなければならないと考える。 しかし大隈の考えはそれとは異なった。洋銀が不当に高いために物価騰貴を招いていると考え、それを監視するため、横浜洋銀取引所を設けたりした。また大蔵卿を辞めて、参事となってからも財政に大きな影響力をふるった。他には外国為替業務を営む横浜正金銀行を設けたりした。それもうまくいかないと外債募集をしようとしたりする。 松方はその頃には、大蔵省から内務省で出されるが、大隈重信のやり方に、国を逆に危機に陥れると不安を感じ、部外者ながらも大隈のやり方を批判する論文を出したりしていく。 大隈は協力者を多く周囲に用いてその政策を継続していこうという動きに、伊藤博文らがそれを抑える為に動き、大隈を参事から辞任させる政変劇が起こる。 以後、松方が大蔵卿となって、財政改革に乗り出すことになる。 松方が大蔵卿に就く前の物価高騰でも、庶民はあえいでいた(地主はそれに対して小作が納める作物が高く売れ潤い、今で言う不平等ともいえる格差が生じていた)。 それで松方はまずは日本銀行を設立する。が中央銀行は創っても、兌換条件に必要な正貨(金貨、銀貨)を充実させねば、中央銀行から兌換紙幣は発行出来ない。 松方は、不換紙幣を回収するために、まずは(紙幣供給量に関して)逆の方向に持って行く。それに伴い一時的に貨幣が不足する事により、不景気が訪れるのは確実視されたが、断行する。 実際その政策を実施すると、国内に出回っている紙幣が減るとともに不況がやってきた。松方は、庶民の困窮を横目で見ながら、日本銀行券を発行するための条件、つまり正貨を増やす為に輸入を減らして輸出祖促進、それにより正貨を増やし、兌換紙幣を発行できる条件を徐々に満たしていった。 明治18年5月9日についに日本銀行は、日本銀行券を発行する。・・・・・ 今とは状況はかなり違うが、現代と似た面も多々あるように思う。 現在は、不換紙幣の回収というより、日本凋落傾向の中のさらにデフレ状況にあって1千兆という天文学的数字になった国債をどう減らしていくかが、財政再建のキーポイントとなっている。 与党は、税と社会保障の一体の改革をかかげ、昨日(平成24年6月27日)はその一環施策案の消費税増税法案が衆議院で可決した訳だ。 対策を誤まれば、日本復活も危いような気がする。 こういう時は、このような歴史小説あるいは歴史書がいい参考になる。政治家には、もっと色々勉強してもらい正しき方向に国民を導いてもらいたいものである。 お薦めの一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-06-27 13:18
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