<百字紹介文>
時事問題など難しい事柄を分かり易く解説することで定評の池上彰氏(元NHK記者、現在フリージャーナリスト)が、政治の事をよく知らない社会人に向けて書いた本の増補改訂版(東日本大震災などを受けて)である。
<詳しい紹介文>
(この本は2008年に発刊されたが、実際に私が読んだのは、東日本大震災などを受けて増補改訂された版である)
NHKの「週間こどもニュース」(1994年から11年間)でお父さん役で登場。以来、少し難しい内容でも分り易く解説してくれることで定評のある池上氏の本である。
テレビにも頻繁に出ているが、本も多数書いており、私もこのブログで幾つか紹介してきた。
この本では、政治のこと、主に国内政治(海外の政治事情は、ほとんどが日本との比較のみ)をとりあげている。
私は某私大の政治経済学部出身だが、経済学科であったので、あまり政治の方は勉強しなかった。それより前の(今から30数年前の)高校生の時も理系クラス。倫社政経は一応学んだが、あまり熱心に勉強していない(共通一次試験の受験は世界史・地理を選択し臨んだ)。
よって実のところ、政治の仕組みや歴史などは、あまり詳しくない。
図書館でこの本を見つけ、池上氏の本なら、書いてある中身自体それほどレベルを落さず、平易に学べるかなと思い借りてきて読んだ次第である。
参考に目次(ただし各章のタイトルのみ)を以下に転記する。
第1章 「政治」とは何か?
第2章 「選挙」とは何か?
第3章 「国会」とは何か?
第4章 「内閣」とは何か?
第5章 「憲法」「裁判所」「地方自治」とは何か?
読んでみてそう目新しい収穫はなかったが、読まなければ‘昔そういえばこのような事学んだなあ’とさえ思わなかったろう。実際には忘れていて、ニュースを見てもそういう関連知識を思い出すことさえなかったのだ。数十年ご無沙汰していた政治の仕組みの知識を復習できて、良かったと思う。
知っているようで知らないことも多い。30数年に学んだ内容なども、もう変わってしまった事柄も多い。また実際の選挙や政治献金などのお金の問題は、やはりジャーナリストのような人からでないと聞けない話も多い
代議士という言葉が、衆議院議員にしか使われないとか、議会で天皇の御臨席の場があるのは参議院だけで衆議院にはないとか、今は益々幹事長が力を持ちつつあり首相のNo.2として昔以上に力を揮っている etc・・・・・・・初めて知った。
兎に角、政治や社会の問題、国際情勢など、少し難しい問題を平易に学ぶには池上氏の本は、本当に学びやすい。
ただ池上氏の政治的傾向も、本を幾つか重ねる度にだんだんと分ってきた気がする。
おそらく池上氏は民主党贔屓・反自民党なのだろう。それでも最近、民主党がどうしようもない体たらくにあるので時に批判的な言葉も出てくるが、全体的に見るとかなり好意的である。
私は、出来るだけ早くこんな政権潰れた方がいいと考えている人間なので、それだけに最近は池上氏のその辺の発言に敏感になってしまった。
その点を抜きにして、池上氏の本は読むことにしている。
政治のことを、本格的な勉強はチト無理だが、もっとよく分りたいと思う人にはお薦めの一冊です。
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