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<百字紹介文> 今や日本一の富豪で多方面に強力な指導力を発揮するソフトバンクの孫正義氏。彼の祖父母らが韓国から日本に渡り、異端児と呼ばれる彼が出来るまでを、背景的な面に重点を置き徹底した裏とり取材で描いた物語である。 <詳しい紹介文> 最初に言っておくが、この本の中で著者の佐野氏は、ソフトバンクのCEO・孫正義に対する評価は、嫌ったりいかがわしいと思ったりの悪い評価か、逆に尊敬するかのどちらか、つまり2極化する場合が多い事をどこかで書かれていた。その分類でいくと、私は恐らくその後者に入るだろう 佐野氏は、孫氏に対して「うさんくさく、いかがわしく、ずるがしこく…」と感じることが時々あるようだが、私はそんな感じを抱いた事は今まで全く無い。 かなり前から、彼が在日韓国人の生まれで帰化したことも知っていた。他の韓国人・朝鮮人に対しては、時に嫌悪を抱く事もあったが、孫氏に関しては不思議と好印象しかない。 そういう意味では、私は孫正義氏に私淑する人間の一人である。 だが闇雲に礼賛するつもりはない。彼の事を詳しく知って正しく評価したいと思って読んだのだ。 それではこの本の紹介と入ろう。 まず本が出来た経緯だが、もとは著者が多くの関係者の取材をもとに2011年「週間ポスト」誌上に、何度か載せた記事らしい。それに大幅に加筆修正して出来た本のようだ。 次に本のタイトルに関して。前半の「あんぽん」とは、在日であった父親が名乗っていた日本性である。孫正義は、結婚後、日本に帰化したが、帰化する前の性は「安本正義」だった。それを帰化した時に、逆に在日がすぐわかる(本来の)「孫」性に戻したのだ。 「安本」を音読みすると、日本語の他人を侮蔑する言葉「あんぽんたん」に繋がるだけでなく、「あんぽん」という韓国風の発音が、自分の出自を隠して生きてきた孫の自尊心を傷付けてきた。 「地の底」のような生活から這い上がり、日本の情報革命をリードする異端児となり、世界的に有名になった男のハンディとなった名前をいわばタイトルとした訳だ。 またタイトルの後半に「孫正義伝」とある。こう表記すると業績を時系列的に紹介した伝記のようなものを想像するかもしれないが、そういう評伝とはかなり違う。孫正義自身の話は、読んでみれば分るが実はそれほど出てこない。 帯紙に「孫家三代 海峡物語、ここに完結」とある。孫正義の父方、母方のおじ、おば、祖父、祖母などを辿り(時には何度か対馬海峡を越えて故郷・足跡などを辿り)、その中で生きている方には出来るだけ直接取材して、孫正義という異端児が如何に生まれてきたかを、彼に関わる人物の取材・インタビューから描きだそうという趣向である。勿論、孫正義氏本人へのインタビューも4回ある。 関係者を徹底的に取材するという意味では、最近私が読んだスティーブ・ジョブズの評伝『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』と少し似たスタイルである。 ただしあちら『スティーブ・…』は仕事関係や仕事・製品開発関係の人物が大半を占めたが、こちら『あんぽん』は逆に親族関係が中心だ。 勿論、孫正義氏をビジネス的に最初に助けた元シャープ副社長・佐々木正氏や、孫正義氏が病気の時、ソフトバンクの社長をしていた大森康彦氏、担任の先生、昔の孫氏及び彼の父母等親族の事を覚えている近所の人々など、親族以外の人も多数出てきて、孫氏の人となりなどを紹介する。が全体からみると、それはほんの1,2割ではなかろうか。 (ただ不思議なことに、孫氏の3人の兄弟、母・国本玉子については、取材を行っていない。) 親族を一人一人訪ねて行き、インタビューして孫氏周辺の人物たちがどういう人物かを調べ、そこから孫氏がどういう環境の中で育っていったか知ろうという趣向だ。 まるでデカがある事件に関係した人たちへの事情聴取を行うのような感じだ。Aが証言した内容をBに(さらにはCにも…)聞き、聞き出した内容が確かな事実かどうか裏をとるといった取材方法。 したがって同じ質問を複数の人間に行う。 同じ質問(とそれへの応答)など読んでいて飽きないかと思うかもしれないが、とんでもない。 人間とは面白いもので、嘘を言ったり、記憶違いがあったり、人の見方が(兄弟姉妹であっても)違っていたりして、どれが真実かよくわからない話も多い。 一人の人間が、状況に応じ複数の人格を現し、複雑な事の方が普通ともいえる現代である。人を評価するには、こういう複雑な面を重層的に見ることが必用だなあと最近つくづく思う。 インタビューでの発言は、差別と戦い、どん底から這い上がってきた在日の人々のそれぞれの人生を背景が滲み出ており、激烈な人生を生きてきた人間の真実が行間からどろりとこぼれ出てきたような生々しさが感じられ、この本を途轍もなく面白くしている。 その上に、孫氏の親族が皆途轍もなく強烈な個性の持ち主なのだ。 父親の三憲氏も、ヤーサン顔負けの修羅場を潜り抜けてきたような怖い顔を見せるかと思えば、孫正義氏に対しては教育パパ的一面や家族愛的一面も見せ、バイタリティ溢れるどう表現していいか分らぬほど兎に角強烈な個性の持ち主だ。 (父方の)祖母の李元照しかり、祖父・孫鐘慶しかり、母の玉子しかり、母方の祖父・李嶋鳳しかり、母方のおじ・国本武雄しかり・…皆それぞれに強烈である。個性が強いだけに、小説のように彼なら(彼女なら)どう出るのかなと興味をグッと惹き付け、面白いのだ。 今の孫正義氏からは、紳士然としたイメージしか受けないが、その親族は皆強烈なのだ。この性格の激烈さはやはり韓国由来、朝鮮民族の血かもしれない。 ではこの生々しい孫氏の血族の物語を読んで私が孫氏に対してイメージ・ダウンしたかというと、全然そういう事はない。逆に尊敬は増したように思う。 成る程この著者の言うように、30年後に紙を媒体とした本がなくなるなど、情報革命を過信するような孫氏の発言に対しては、私もそれはあり得ないと著者に賛同する。 そういう行き過ぎな面もある孫氏だが、それでも私は彼を尊敬する。 今、孫正義は根っからの日本人以上に日本を憂い、「脱原発」の旗を掲げ、孤軍奮闘している。それを心無き人々がTwitterなどで揶揄しているようだが、私としては益々孫氏を支持したい気持ちになった。 今後も孫氏の動向に注目し続けたいと思っている。 お薦めの一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-04-21 01:17
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