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<百字紹介文> 明治29年、昭和8年、そして昭和35年の3度、三陸海岸を襲った大津波にスポットをあて、津波の前兆、襲来の様子、被害状況、規模などを体験記等の記録や津波体験者への聞取り追調査に基づき記した貴重な本です。 <詳しい紹介文> 昨年3月11日2時46分三陸沖でマグニチュード9の大地震が起きたが、これはその時の津波の話ではない。 青森・岩手・宮城の3県にわたる三陸海岸は、有史以来何度も大津波に見舞われ、とてつもない被害を出してきた。 この本は、その中でも比較的最近の、明治29年、昭和8年、そして昭和35年の3度の大津波にスポットをあて、津波がどのようにやってきたか、どんな規模であったか、どんな被害をもたらしたか、生死を分けたのは何だったかを、記録や著者の津波体験者への聞き取り調査によって調べた内容など貴重な証言をもとに再現している。 東京電力などは、今回の震災時の福島第一発電所の事故を防げなかった理由を想定外の規模の大地震・津波のためだったためとしているが、このような沢山の記録があったことを知ると、そのイカサマ加減がよくわかるというものだ。 皆さんも、読み進めるうちに、ここ100年ほどに起きた数度の大津波(昨年の津波を除く)だけ調べただけでも、いかにすさまじい津波が襲来していたかを知り、驚愕するであろう。 最初に採り上げる明治29年の津波は、安政3年(1856)に水戸藩の藤田東湖を圧死させたり、下田に来ていたロシア使節プチャーチンが載っていたディアナ号を大破した津波と、その前兆が非常に似ていた事がまず語られる。 共通前兆は次のようなものだった。マグロやイワシなどの漁が不漁だったのが、地震の少し前から異常と思えるほどの大漁となった・・・、連日夜になると海の遥か沖合に快火(白い快しげな火閃)が出現・・・、川菜という海草が磯に濃い密度で茂り出した・・・・、三陸海岸一帯にウナギの姿が多くみられるようになった・・・・、他にも潮流の乱れ、いつも澄みきった清水の井戸や濁ったとか、枯れた事がない井戸が枯れた・・・。 また地震のあとに、ドーン、ドーンという大砲のような音が三陸海岸の至る所で聞こえた。勿論、津波の前の引き波もあちこちで目撃されたようだ。 明治29年の時の津波の被害は、死者数でいえば今回より甚大だった。岩手県下だけで死者数22,565名、負傷者6,779名、流失家屋6,156戸に及んだ。その次酷かったのは宮城県、3番目が青森県。津波を引き起こした地震は、7時半頃~8時過ぎにかけて起こった三陸沖の海底地震によるものであった。 紹介されている話はどれもすさまじい話ばかりだ。読んでいると昨年の津波と規模的にも似ていたのでは?と思うような記述が多い。 例えば釜石町の奇跡的に助かったお婆さんなどは、津波に襲われた時、流されるところを流木に捉まっていたら、何かに引っかかり地面につき、夜が明けたら山の頂上だったとかいう話が出てくる。 また岩手県下閉伊郡田野畑村羅賀の中村丹蔵氏の家は、入江の奥まった海岸から遠く離れ海面から50mはあるところに家があったが、津波の来襲を受けたらしい。何故かその時の記録では、羅賀地区の津波の高さは22.9mとなっているが、訂正すべき記録も多いようだ。 この三陸海岸の津波ではないが、明和8年(1771)沖縄石垣島の津波の高さ85mであり、津波が島の最高峰をも通過し島を完全に横断したような津波も過去にあった。 昭和8年の津波も、明治29年の時と同様三陸沖の海底地震によって起こされた津波とみられ、甚大な被害を出したが、防潮堤の設置や津波の教訓が色々語られてきたので、被害は明治29年の比べると少なかったようだ。 「備えあれば憂いなし」とまではいかないが、防災対策万全とまでいかなかったが、効果があった事は間違いない。 昭和35年の津波は、しかしちょっと様相が異なっていたようだ。これは地球の裏側、太平洋の対岸南米チリで起きた大地震が引き起こした津波であった。そのためそれまでの津波の教訓が生かされる事も少なく被害を大きくしたようだ。 日本では南米チリの地震は勿論体感できなかったのでほとんどの人が、地球の裏側の地震・津波のニュースに無関心だった。チリから遠く離れたハワイでも津波で甚大な被害が出ていたのに、当時の気象庁はまさか日本まで影響が出ると思わず警報を発しなかった。 海に出ていた漁師などは引き潮など異常な現象に、津波の襲来を予測し陸地に向かって叫んだりしたが無駄だった。22時間かけて襲来した津波は、明治29年や昭和8年の時の津波と様子も少し異なり、壁のような形などで襲って来たのではなく、一様に海面が盛りあがって静かに襲って来たらしい。それも人々に大した事はないとの印象を与えたのかもしれない。 ところで、ここまで述べてきた津波は地震によって引き起こされたものだが、津波は火山の大爆発などによっても起こされる。ジャバ島クラカトウ火山が引き起こした津波は、明治29年の日本の津波より大きかった。 今後は、津波の教育も津波に色々ある事を詳しく教えていく必要があるように思った。 読みばあなたもきっと震撼するだろう。 私は小学生などに書かせた体験記など読んでいて気持ち悪くなった。 吉村昭氏が丹念に調べ上げた貴重な本である。 多くの日本人に読んで学んでほしいと思った。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2012-01-31 17:37
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