by une_genzaburo
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今日はいい天気だが、暇なので昨日読了した本を紹介する。 <百字紹介文> 唐代に南海航路を利用して天竺へ行き大量の経典を中国にもたらした義浄を主人公とした海路の西遊記ともいうべき歴史冒険ファンタジー。娯楽小説ながら精神面の成長の描写等も優れ、著者の実力が十分窺える作品です。 <詳しい紹介文> 世界史にも名を留める僧・義浄を主人公にした小説。彼は玄奘とは違い、海路を船で南海を通って求法の旅に出た僧である。 玄奘を念頭に少し最遊記もどきに冒険ファンタジーに仕上げたようである。 という訳で言っておくが歴史小説ではない。 歴史的事実をある程度踏まえてはいるが、出発前後の騒動と、天竺(インド)へ求法の旅に出たという事実以外は、恐らく殆どは架空のエピソードで綴られた物語であろう。 よってこの小説で義浄について勉強しようなどと考えず、あくまで娯楽小説として読むことをオススメする。 前部1/3位までの粗筋をまず紹介しておこう。 義浄(俗名張文明)は、唐代のの貞観9年(635)に斉の国に生まれた。 父親は昔軍隊におり、出世のチャンスは2度ほどあったが、運に恵まれず不遇に終わる。義浄が子供の頃、家族は貧乏のどん底で、その為彼は幼い頃、父母から捨てられるようにして土窟寺の僧に引き取られた。 出家後、天竺へ求法の旅にでた法顕や玄奘を敬慕。 少し成長してから長安に上り、当時老齢ながらも大慈恩寺でまだ経典の翻訳などにあたっていた玄奘に会い教えを直接乞おうとするが、由緒ある寺で修行していないなどの理由で会えない。 仕方なく郊外の他の寺で数年修行しながら機会を待つうちに玄奘が亡くなる。こうなればせめても直弟子に教えを乞おうとするが、大慈恩寺で騒動を起こした上に追い払われることになる。 義浄は、中国の仏教の現状を鑑みるに、このような事が起こるのは、法と論のみが天竺からもたらされたからだと考えた。戒と律が釈尊の往時とかけ離れ、大寺の僧らの勝手で行われるから、仏の道を出自で差別するようなことが起こるのだと考える。 そこで義浄は、玄奘が持ってこなかったものを天竺から持ってこようと考える。義浄36歳の頃には、異彩を放つ彼の周囲には沢山の僧が集まるようになり、三十数名の僧で天竺へ渡る話になる。 資金も集まり、さあこれから船出という段で、集まったお金を弟子に持ち逃げされ、それを機に彼の周囲にいた弟子たちも、一人減り、二人減りと、気がつくとまだ15歳の善行一人が従うのみ。 この辺りまでは結構史実に近いのかもしれないが、おそらくこれ以降はほとんどフィクションであろう。 義浄は、それでも彼に関心を抱く商人などの伝手と資金を得て、30歳前の若い波斯人(ペルシャ人)フェルドゥーンを船長とするアドラー号に乗せてもらい中国南部の番禺の港から出航する。 彼が乗った船は、安南(現在のベトナム)あたりから、その近海で働く海賊・天耳海賊団という海賊に追っかけ回される。 ヌーン(兄)とソーン(弟)の兄弟が、千里離れていても宝を載せている船の音を聞き分ける(ただし口がきけない)という姫(兄弟の妹・ホック)の超能力を用いて海賊働きをしていたのだ。 アドラー号は小さなダウ船で大したお宝は載せていないが、天耳海賊団は姫の言葉を信じアドラー号を襲う。焙烙玉のような武器で軽く撃退されるが、以後もずっと諦めず機会を狙い何度かアドラー号を襲撃する。 小説では、天耳海賊団との少し滑稽な追っかけっこと戦いの他、インドへの上陸地点の港・タームラリプティに着くまでに、シュリーヴィジャヤ王国の都パレンバンで国を乗っ取ろうとするビダーリの騒動にあったり、アンダマンで弟子の善行の罹病したり、インド目前の海上で、南海の影の支配者アクスアクスと修羅場を演じるなど、冒険譚らしい話が満載。 次はキャラクター面から見よう。 まず出航まもなく登場する天耳海賊団の面々は、ヤッターマン(タイムボカン・シリーズ)に登場するドロンボー一味や、アンパンマンに登場するバイキンマンやドキンちゃんなどを彷彿とさせる、憎めないキャラクターである。 それに比べ、義浄の前途に立ちはだかるビダーリ及びアクスアクスは、若くて一見好男子の上、義浄などにはない超能力のような強力な力を持ち、小説的には好敵手といえる。 勿論、アドラー号の乗組員も、皆、海の男という感じで、何とも物にとらわれず自由で爽やか。 全体的に通して感じたのは、この小説は歴史小説という感じではなく典型的な冒険ファンタージーだが、著者は結構仏教のことも勉強したのだろう。 義浄は旅の中で、海の世界の現実をはじめ、今まで知らなかった外の世界の現実を経験していく。そして彼の精神面がそれに連れどんどん成長していく過程が、その言動を通してよく把握できるようになっている。 著者は私より11歳も若い方だが、(自分でも小説には少し小五月蝿いと思っている)私をこれだけ楽しませてくれるとは、もう十分実力ある作家だなあと思った。 この小説家の本は今回が初めてだが、今後機会があれば他の作品もどんどん読んでみたい。 お薦めの一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2011-11-09 11:23
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