by une_genzaburo
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「後世への最大遺物」は、明治27年(1894年)7月に箱根本陣・蘆の湖畔で開かれた第6回夏季学校の中で行われた講演の速記録に、内村自身が手を加えてできたものだ。 要旨が解説のところにあったので引用する。 「われわれが五十年の生命を託したこの美しい地球、この美しい国、このわれわれを育ててくれた山や河、われわれはこれに何も遺さずに死んでしまいたくない、何かこの世に記念物を残して逝きたい、それならばわれわれは何をこの世に遺して逝こうか、金か、事業家、思想か、これいずれも価値あるものである、しかしこれは何人にも遺すことのできるものではない、またこれは本来の最大の遺物ではない、それならば何人にも遺すことのできる最大遺物は何であるか、それは勇ましい高尚なる生涯である」 著者は若いころ、頼山陽の漢詩を読んで青雲の志を抱いたそうだ。 山陽が十三歳の時に書いた詩だが「十有三春秋、逝者已如水、天地無始終、人生有生死、安得類古人、千載列青史」 千載青史に列するを得ん、という欲望、簡単にいえば歴史に名を残すという欲望を抱いたそうだ。 その後キリスト信者となった彼は、その志望を聖職者などから色々窘(たしな)められたらしいが、(われわれが)死ぬ時に生まれる時より世の中に少しなりでもよくしていけるなら、(たとえ名誉欲があって行っても)金持ちになること、事業家になること、学者になること、思想家になること、文学者になること・・・・皆意義があると前向き(肯定的)に考えた直したようだ。 例えばお金持ちになることだが、次のような面白いことを書いている。 「金を遺すのものを賤(いや)しめるような人は金のことに賤しい人であります。吝嗇(けち)な人であります。(中略)金というものの必要は、あなたがた十分に認めておいでになさるだろうと思います。 金は宇宙のものであるから、金というものはいつでもできるものだという人に向かって、フランクリンは答えて「そんなら今拵(こしら)えてみたまえ」と申しました。・・・・」 内村は、清き目的をもって金をためて、清き事に金を使うなら実にいいことだといいます。ただ金は後世への最大遺物だけれども、遺しようが悪いと害をなす。金をうまく使う人が必要で、金をうまく使う人とは事業家だ、云々・・・と。 金持ちになること、事業家になること、学者になること、思想家になること、文学者になること、これらは皆天賦の才能がある人の成しうることで、後世に何かを遺しうる。 ではそうできない凡人、普通の人間にとって実践可能な人生の真の生き方とは何か。 そえは高尚なる生涯である、というのだ。 私もあと1年ちょっとで50歳になる。これから何か新しい事を学び、その分野で一流になろうと思っても無理に近い。といっても慣れていない分野でも新たに学ぶことを初めから放棄するつもりはない。 学生時代からずっと様々なことに興味を抱き、年間最低でも百冊以上読み、生涯学習に取り組んできた。だが自分は凡人だ。自分の一番の才能(と自ら考えているの)は、読書など自分に良いと信じた事をコツコツと続ける能力だ。 稼業とは全く関係のない公共の非営利的仕事も、それこそボランティアで幾つもやっている。 50歳近くになり、どのように自分の死を迎えたいかも色々考えるようになった。先日図書館で、NHKのプロジェクトXの話を載せている本を読んでいたら、菅谷昭(すげのやあきら)という医師の言葉が目に止まった。彼はチェルノブイリ原発事故の時、大学での医師の職をやめ原発のあるベラルーシへ自費で行き、無給で活動した医師である。 その活動を始める契機だが、彼は大学で医学を指導していた頃、ある日こう考えたという。「もし自分が突然死を迎えた時、納得して死ねるかと改めて考え直してみた」というのだ。自分はそういう生活をしているかと考えてみたら、していないじゃないかと気付き、納得できる何かをするためにもう一度一人の医師としてやり直すために、そのような行動をとったらしい。 自分も全く同じ考えをもっている。菅谷氏ほどにはなれないだろうが、最後まであきらめず、たとえ何もなせずとも、内村氏のこの本で言うような高尚な人生を送りたいと考えている。 ところで、この本は内村氏の「デンマルクの話」も収録している。デンマルクとは勿論、北欧のデンマークのことだ。 デンマークは1868年、いわゆる第2シュレスウィヒ・ホルシュタイン戦争の結果、プロシアとオーストリアに対して、シュレスウィヒ・ホルシュタインの2州を割譲した。その2州は当時当国最高の豊穣な地であったので、戦後経営は困難に直面し国民は意気消沈した。 そんな時、ダルガスという若き工兵士官が意気消沈している国民をリードし、荒野にすぎなかったユトラントの地に植林活動を行い、それが農業にも良き影響を与えて、国を豊かに変えた。 デンマークはこの本が書かれた当時、国内の富だけで一人当たり世界最高、イギリスやアメリカをも遥かに寄せ付けない豊かな国になっていたそうだ。 内村鑑三は、本の中で「戦いは敗れ、国は削られ、国民の意気消沈しなにごとも手につかざるときに、かかるときに国民の価値は判明するのであります。戦勝国の戦後の経営はどんなつまらない政治家にもできます。国威宣揚にともなう事業の発展はどんなつまらない実業家にもできます。難いのは戦敗国の戦後の経営であります。国運衰退のときにおける事業の発展であります。戦いに敗れて精神に敗れない偉大な民であります。」 こういう文章を内村氏は、日清・日露戦争に勝った後に書いている。当時日本は「戦争に勝って亡びた国」を徴候を現し始めた頃だと言う。 現在、日本は未曾有の被害を出した東北関東大震災からの復興事業や、経済の低落傾向、巨額の財政赤字など難問山積みだ。池上彰氏の言葉でいえば第二の戦後である。 そういう意味では、20頁未満の短い文章であるが興味深く読むことができた。 お薦めの一冊です。 ←ランキングに参加しています。
by une_genzaburo
| 2011-05-28 16:14
| 読書
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