by une_genzaburo
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太田道灌(この小説の中では、俗名の資長(すけとも)で統一しているが)は室町時代、扇谷上杉家当主・上杉定正の執事として仕え、混乱する関東の地で活躍した人物だ。江戸城を築いたことでも有名だ。 この時期の関東の地の歴史は、非常に分かりにくい。まるで関東は京畿とは別の国であるかのように、相互にほとんど無交渉で(独立して)歴史が展開していく。 かと思うと、忘れたか頃にヒョィと中央(京畿)が顔を出す(または関東が京畿に顔を出す)。 私は日本史に関しては、正規な教育としては中学校で学んだ程度で、高校以降では学んでいない。それだけに尚更複雑な気がする。現在高校の教育では、この時代の関東についてどの程度教えているのだろうか。 童門冬ニ氏によれば、その混沌さゆえに、多くの小説家がこの時代の関東を描くのを避けているし、多くの読者も同様にこの時代の関東に関する小説を読むのを避けているという。 私も、無意識的にだが避けてきたようだ。南北朝から応仁の乱にかけての時代の本は、太平記関係をはじめとして沢山の本を読んできた。が考えてみると、その時代の関東を中心に描いた小説や歴史本はほとんど読んでいない。よって堀越公方、関東管領、古河公方、太田道灌、両上杉(山内上杉と扇谷上杉)などを正面に見据えて書いた小説は、今回初めて読んだといってよい。 例外は、この時代の関東を背景とした伝奇ものの南総里見八犬伝である。滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』そのものは読んだことはないが、それを種本にした小説を何種類か読んだことがある。 何故この時代の関東は、小説家も敬遠するほど混沌としていたのだろうか。童門氏は、その理由として幾つもの対立関係やしっくりいっていない関係があったことを挙げている。それらをこの本に従っていくつか挙げてみる。 ○堀越公方・足利政知(あしかがまさとも)と古河公方・足利成氏(あしかがしげうじ)の対立 ○関東管領家の山内上杉家と、その分家・扇谷上杉家の対立(太田道灌の活躍で本家である山内上杉家より実力が上になりがちであった) ○上杉定正と太田道灌の関係(道灌の実力が主君を凌ぎかちになっていた) ○太田資長と太田道真の関係(道灌の才気煥発で、父・道真とがうまくいっていなかった) ○関東管領家・山内上杉家の執事・長尾景信が死んだ後、その地位をめぐり景信の長男・長尾景春と景信の弟・長尾忠景の間で少し揉め、当主上杉顕定は忠景に決定したが、それに対して景春は叛旗をあげた。 ○房総半島では、千葉介の地位をめぐり、千葉氏同族内での地位争いがあったが、太田道灌は、破れた千葉自胤を保護したことから、一旦落着したこちら方面の勢力争いも再度混沌としたものにした。 ○今川義忠の妻が姪だった関係から今川氏に乗り込んできた伊勢新九郎(後の北条早雲)は、伊豆の地を中心に暗躍していたが、相模以東の関東の地も虎視眈々と狙い、地下工作を行っていた。 だいたいこんなところだろうか。 この本の中で童門冬ニ氏が当時の情勢を分かり易く纏めてくれなかったら、この時代の関東の歴史の初心者の私は、おそらく自力では十分に把握できなかっただろう。 ところで私が昔、父親から聞いた道灌の話は、楠木正成を想起させるような話が多かった。確か父から聞いた話は、例えば城の防御のために道灌が、糞尿を釜に入れて沸騰させたものや煮えたぎった熱湯、丸太などを、石垣に取り付いた敵兵の上から落としたりして奮闘し、城を守ったという話だったと思う。単なる記憶の取り違えによる誤解だろうか。 道灌の人となりについては、この小説によれば、子供の頃から才気煥発で、親の叱責も逆にやりこめるようなところがあったようだ。和歌に優れ、(古今和歌集という意味ではなくて)古今の名歌に通暁していたし、自身も幾つも歌を作ったようだ。 この小説では、道灌が古今の歌に通暁していたことから、その歌の中に見出される智恵を利用して、戦いに何度も応用し勝利に導いたことが書かれている。 道灌自身は、部下にも好かれ非常にさわやかな人物だったらしいが、彼を取り巻く主君の上杉定正、その本家の上杉顕定などはその実力ゆえに、彼を恐れたようだ。 しかも彼は、軍事や歌道に優れていただけでなく、内治の能力にも優れていたらしい。関東管領側と古河公方側の間に和議が成立し一時的な平和が訪れると、江戸港や浅草港を活況を呈するような港にしたり、寺社などの建立・保護などして江戸城下を繁栄させた。当時は、長期間の内乱で、他の関東の地は疲弊していただけに、江戸の一人勝ちのように見え、道灌の財力などにも疑惑が向けられた。 そのため道灌が関東の地の奪取を狙っているなどの噂が流れたり、讒言がなされたりした。両上杉の首脳をはじめとした彼を取り巻く多くの者らがそれを信じた。 そしてその噂を信じた主君・上杉定正が道灌を騙して暗殺するに至る。 この小説だけでは、まだこの時代の関東のほんの手引書程度の内容だろう。だが今後は、以前より敬遠することは少なくなろう。徐々に関連本を読んで、もっとこの時代に理解を深めたいと思う。 最後にまた、Amazon.co.jpの本の紹介文を下に転記して参考としたい。 「室町幕府の権威失墜とともに、関東は長い戦乱状態に入っていた。江戸城を築城し、軍事と歌に秀でた武将・太田道潅は、上杉家の滅亡を阻止するため獅子奮迅の活躍をしていた。しかしその才気はあらぬ誤解を招き、ついに謀略の魔の手に倒れた。道徳と秩序が乱れに乱れた世の中で、己れの美学を貫き通したその爽やかな生きざまを余すところなく描く」(「BOOK」データベースより) ←ランキングに参加しています
by une_genzaburo
| 2010-01-31 13:49
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