by une_genzaburo
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今回私は上巻を読んでいた時から、前に一度読んだかな、という感じに囚われていた。でもその都度、いややはり読んでいないと心の中で否定していた。巻末の章「おわりに“モンゴロイド家の人々”など」まで読み進めて、この本の内容はNHKでは「太郎の国の物語」として放映されたと知り、やっと「ああそうか、それでか~」と頷けた。 確かその番組は、放送された当時全て観たはずである。一度ならず、録画にもとり数回観ているはずだ。 40代半ばを過ぎてから私は、急に肩、足腰、目・・・・・とあちこち老化が激しく、最近は頭も老化してきたのか、記憶力の減退が激しい。数分前のことでさえ、しばしば忘れてしまう。ましてや1980年代後半に放送された番組である。 当時から司馬さんが大好きで、何度も観た番組のはずなのにこうである。情けない(苦笑)。 この本の主題を、司馬さんは先ほどの「おわりに・・・・」の章で次のように述べる。 「この主題は、明治時代という昔話ではない。明治国家という、人類文明のなかに俄に出来た国の物語として語ったつもりである。さらにいえば、いまの日本国がその系譜上の末裔に属するかもしれないが、あるいは、そうでもなく、人類の一遺産であるかのように思っている。 例えば、19世紀のアメリカ東部に展開したプロテスタンティズムという精神の社会が、いまのアメリカ合衆国とじかに繋がっていると見るよりも、歴史の中で独立し、時には連鎖せずに孤立していると見るほうがより親しみ深く感じられるように、明治国家も、ある時期の世界史にそういう国があったと見るほうがわかりやすい。 さらには、その方が――つまり明治国家がいまの日本の私物ではないと考えるほうが――私の気分をくっきりさせる。」 私は日本人の気質は、バブル景気のあたりから随分変わってしまったように思う。少なくともバブル崩壊以降は、戦後以降も少ないながら残っていた、勤勉で忍耐強く、また「もったいない」に代表されるような物を大事にする性癖・貯蓄癖など、古き良き日本人の性向は、ほとんど失われてしまったように思う。 額に汗して勤勉に働くどころか、賢い者は土地や証券などの投機で楽して儲けるのが当たり前、汗して働くのは低級な人間、という風に考える人間が多くなった。 バブル崩壊後の10年ほどの不況期を「失われた10年」などと云いつつも、全然、気質は改まらず、日本人の中にあった古き価値観、道徳心というものはどんどん薄れてしまったと思う。 司馬さんは、明治時代に殆ど汚職が無かったと述べたり、明治時代は「透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズム」の時代と称していたが、今ではとても夢のような時代というしかない。 昔を振り返ると私が子供の頃は、祖父母をはじめまだ沢山の明治時代生れの人々が元気に生きており、明治の時代が息吹が多少なりとも感じられ、当時なら「明治国家」という系譜も辿れたように思う。 この本が書かれてからも既に20年以上経つ。今の若い世代の人には、明治時代から自分たちが生きている現代へと続く系譜を辿っても、違和感しか感じられず、明治が現代と連鎖した時代とは信じられないように思うのではないか。 しかし、司馬さんが言うように、そうである方が――つまり連鎖せずに孤立していると見るほうが――かえって親しみ易く思えるかもしれない。 とにかく日本人は、もう一度この幕末からこの明治にかけての時代を――自分らの時代とは連鎖せず孤立した時代と感じてもいいから――よく見直す必要があるのだと思う。この本のどこかにも書いてあったが、日本人の中には、日露戦争に勝った日本人を誉めたりすると、すぐ軍国主義者などと批判する人がいる。ドグマとでも言いたくなるような色メガネでしか見られないのだろう。 私は司馬さんも言うように、日露戦争でもし負けていたら、おそらくロシアの属国になったと思う。また日本海海戦も、もし日本が圧倒的勝利を収めていなかったならば、その後戦局が悪い方へと変わり、今頃日本は、結局敗戦か或はそれと変らぬ窮地に陥ったと想像する。 そもそも幕末の攘夷運動が、あれほど激しくなった理由も、アヘン戦争で負けた清国の惨状や欧米以外の世界のほとんどの国々が欧米の植民地になっていることを知ったから、多くの志士たちが、日本も植民地になるのではと恐れたからであった。 吉田松陰も、それゆえに国防を第一のこととして重視した。そのための革新を実行するために「狂」を唱えた。今の時代のどこかの政党のように非武装中立などと戯言を述べているのを聞いたら驚愕し卒倒したのではあるまいか。 歴史は、偏見をもって見てはならぬ。昔と価値観が違うのは当然である。むしろ当時の思考方法に即して考え、現代と比較することによって、まるで鏡でも見るように第3者的目で、現代を見ることができるのではなかろうか。これこそ歴史の大きな効用の1つだと思う。 まとめよう。 「明治」という国家、それは封建制度に立脚した徳川幕府という政権では、もうこれ以上とてもやっていけないと考えた人々がたてた新たな国家だ。志士たちの多くは、意見は対立しようとも、「私」を捨て命を張って生きた。 薩長土肥の勢力が、徳川幕府を倒した後も、廃藩置県などにより(勝った勢力の藩いえども)自らの封建的特権を放棄してまで国民国家というものを作りあげるという世界的に稀有な革命だった。彼らは、その後も世界を見聞して吸収すべきものは吸収し、視野も広めた。 それらの偉人たちをこの本でも勿論多く挙げている。中でも坂本竜馬、小栗忠順、西郷隆盛、勝海舟、福沢諭吉などは、新国家を設計し、国民国家の形成を目指した巨人たちと言えよう。 私たちは、これらの明治の(または「明治」という国家の土台作りをした)偉人たちの偉大な精神を捉えなおし、日本は将来の生き方の参考に活かしていくべきではなかろうか。 出来るだけ多くの日本人に読んで頂きたい1冊です。 ←ランキングに参加しています (参 考) Amazon.co.jpの本の紹介文を下に転記する。 「二十世紀は「明治」に始まり、いま、その総括の時期にある。激動の昭和が終わり平成となった年は、世界史の一大転換期でもあった。時代のうねりは、歴史を書きかえ、人びとは、自らの行く手に思いを馳せる。歴史のなかに、鮮やかな光芒を放った“「明治」という国家”、その「かたち」を「ひとびと」を、真摯に糺しながら、国民国家の形成を目指した“明治の父たち”の人間智と時代精神の核と髄とを、清冽な筆致で綴り、日本の国家と日本人のアイデンティティに迫る。 」(「BOOK」データベースより)
by une_genzaburo
| 2010-01-27 21:36
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